[br]自由度には、簡単な計算法があります。[br][br][br]まず、リンク機構を構成する自由点とリンクの数を数えます。[br][br]このとき、機構の動きを制限していないリンクは除外します。[br]例えば、固定点同士をつなぐリンクや、平行四辺形の支柱などです。[br]支柱はねじれ平行四辺形への変化を防いでいるので、動きを制限しているとも言えますが、[br]動きの次元までは変化させないので、ここでは動きを制限していないリンクに含めます。[br][br]そして、自由点の数を n 、リンクの数を m とすると、[br]2n - m[br]が自由度となります。[br][br][br]実際のリンク機構で試してみましょう。
直線器の自由度は1です。[br]4個の自由点と7本のリンクからできているので、[br]4[math]\times[/math]2 - 7 = 1[br]計算結果も1となりました。
こちらも直線器ですが、点やリンクの数は少し多めです。[br]固定点同士をつなぐリンクは無視し、リンク途中にある点は重なって見えないリンクにも注意し…[br]と数えて行くと、自由点は6個、リンクは11本とわかります。[br]6[math]\times[/math]2 - 11 = 1[br]となり、こちらも計算は合いました。[br][br][br][br]この計算が何を意味しているのか、考えてみましょう。[br]そのために、リンク機構を構成するそれぞれのパーツの役割に注目します。[br][br]固定点は、自身では動くことも動きを制限することもしません。[br]固定点1つだけでもある意味ではリンク機構と言えますが、その自由度はもちろん0です。[br]
自由点は、単体では平面を自由に動くので、それだけをリンク機構と見なした場合、自由度は2です。[br]
[br]リンクは、点と点のつながりなので単体では扱えませんが、その役割は[br]2点の位置関係を距離の形で制限すること、と言えます。[br]円のリンク機構を考えると、リンクがなければ自由点は固定点に関係なく平面を動きます(自由度2)が、[br]リンクでつなぐことで、固定点を中心とする円周上しか動けなくなります(自由度1)。[br]つまり、リンクは1本につき自由度を1減らしている、と考えられます。
以上の考えは、計算式とも一致します。[br]固定点は自由度に影響しないので無視して、[br]自由点は1個につき自由度+2、[br]リンクは1本につき自由度-1として、[br]その合計を考えることで、計算式が導けます。