複素数らしさは関数に伝播する

1。複素数の基礎と特長
[size=150][b]このワークシートは[url=https://www.geogebra.org/m/twxxx3yq]Math by Code[/url]の一部です。[br][/b][size=100][br]複素数は2実数a,bと虚数単位iによってa+biとした数として定義されるのが普通ですね。[br][br]複素数の導入の仕方はいくつかありますが、主に2通りあります。[br][br]1つ目は、i[sup]2[/sup]=-1となる数iを虚数単位として、実数の集合を拡張する。[br]その視覚化として、x軸y軸をそれぞれ実軸、虚軸とする、いわゆる[b]ガウス平面[/b]を使うやり方です。[br]ちょっと無理やり感はあるけれども、慣れると安心感がある。[br]とりあえず行列を知らなくても済む。[br][br]もう1つは、成分ぬきにベクトル空間を定義しておき、ベクトルの回転π/2(90°)を数iとする。[br]そして、平面の基底ベクトルの1つをe=(1,0)とすると、2つめの基底がie=(0,1)となるというやり方です。[br]これはすぐに行列につながります。[br]ベクトルu=xe+yieは点(x,y)と見ることができね。[br]2次元行列を行ベクトル{a,b}.{c,d}をたてにつんだものとして{{a,b},{c,d}}とかくことにすれば、[br]恒等変換I={{1,0},{0,1}}とかけます。どんなu={{x},{y}}でも、Iu=uとなるからです。[br]90度回転で、x'=-y, y'=xとなるので、回転行列J={{0,-1},{1,0}}に対応します。[br]だから、[b]a+biは、行列aI+bJ[/b]で表すことができる。[br][br]まあ、どちらにしても、複素数はガウス平面ではベクトルでもあり、点に見える。[b]身近になるね[/b]。[br]複素数は和と差と定数倍についてはベクトルと同様に扱える。[br]ベクトルの積に外積・内積の2種類があり、商はなかったが、複素数の積は1つで、商もある。[br]ベクトルの微分・積分ができたように複素数でも微分・積分ができる。[br][br]しかし、ベクトルの微分積分が成分・次元で合成・分解であり、偏微分と∇が大切だった。[br][b]複素数の微小変化には経路があるため、偏微分だけでなく、領域と経路と特異点が重要[/b]になる。[br][br]微分・積分の前に[b][color=#0000ff]複素数の基本を確認する[/color][/b]ことで、[br]特徴をはっきりイメージしてみよう。[/size][/size][b][size=150][br][br]<複素数の和差は線形で、積は回転と拡大で>[br][/size][/b][br]・複素数z=x+yi は実部x=Re(z)、虚部y=Im(z)を(x,y)と成分のようにかくと、[br]実軸Rと虚軸Iの交点(0,0)が原点の2次元平面上の点としてとらえることができるね。[br][b]ガウス平面[/b]だ。[br]複素数の和と差についてはベクトルと同様の性質が成り立つ。証明しなくてもわかるでしょう。[br][b]|Za + Zb|≦|Za|+|Zb| ( 三角不等式)[br]|Za + Zb|≧|Za|- |Zb|[br][/b]=になるのは、2つの複素数Za,Zbが独立でないとき。[br]ベクトルOA,OBの向きと大小の関係からベクトルの和と差がどう変わるかをイメージしてみよう。[br][br]・複素数で重要なのは、ベクトルとちがうところです。[br]複素数を[b][color=#0000ff]geogebraの極形式(r;θ)絶対値rと偏角θ[/color][/b]でとらえると、[br]2複素数の[b]積[/b]は、[br]絶対値が2[b]絶対値の積[/b]で、[br]偏角が2[b]偏角の和[/b]になることです。[br][br][b]ZaZb=(ra;θa) (rb;θb)[br]=(ra*rb;θa+θb)[br][/b]つまり、回転相似拡大だね。[br][br]・しかし、この[b]和差イメージと回転相似イメージ[/b]はちがいすぎる。[br][br]この2つをつなぐのが三角関数と指数関数だ。[br]ベクトルイメージ [b]z=x + y i[/b][br]極形式(r;θ)は[b]x=r cosθ、y=r sin θ[/b]ともかける。[br]つまり、[b][color=#0000ff][size=150]z=極形式(r;θ)=成分表示(r cosθ,r sinθ)[/size][/color][br][/b]で2つがつながるね。[br][br]行列が必要ならばzはθ回転のr倍だから、Z=r{{cosθ, -sinθ},{sinθ, cosθ}}とすればよいね。[br][br]ZaZb=(ra;θa) (rb;θb)=(ra*rb;θa+θb) の理由も成分にしてかけ算すれば、[br]三角関数の加法定理と同じことがわかる。[br]さらに、z=(1;θ)=(cosθ, sinθ)とすると、[br][b][color=#0000ff]z[sup]n[/sup]=(cos(nθ), sin(nθ)) =cos(nθ) +i sin(nθ) [br][/color][/b]となることも帰納法的に考えればわかるでしょう。[br]これは、[b][color=#0000ff]ド・モアブルの定理[/color][/b]というね。 [br][br]・e[sup]x[/sup]のテーラー展開はΣ1/n! x[sup]n[/sup] =1+x+1/2! x[sup]2[/sup]+ 1/3! x[sup]3[/sup] + 1/4! x[sup]4[/sup] + 1/5! x[sup]5[/sup]+.................[br] はxが実数の場合の式だけれど、xにiyを代入すると興味深い。[br] e[sup]iy[/sup]=1+ i y -1/2! y[sup]2[/sup] - i 1/3! y[sup]3[/sup] + 1/4! y[sup]4[/sup] + i1/5! y[sup]5[/sup]+-.................[br] =(1-1/2! y[sup]2[/sup] + 1/4! y[sup]4[/sup] -................)+ i (y- 1/3! y[sup]3[/sup] + 1/5! y[sup]5[/sup]-................)[br] =cos y + i sin y [br]つまり、 [b]e[sup]iy[/sup]=cos y + i sin y (オイラー等式)[br]ということは、[br][/b][b]z=(r;θ)=(r cosθ,r sinθ)= r (cos θ+ i sinθ)[/b][br] [b]=r e[sup]iθ[/sup][/b][br][br]これで、ベクトル、三角関数、指数関数が複素数によってつながったともいえね。[br]すばらしい。[br][br][b][size=150]<複素平面上の点集合>[/size][/b][br]複素平面上の点は複素数だらけだ。[br]もとはといえば、2実数の組として定義してあるとしても、複素数を点としてみるからには[br]点の挙動と点と点の関係性の基本の確認が必要になるね。[br][br]まず、2点PQ間の距離は|PQ|=|z_q-z_p|。2つの複素数の差はベクトル計算と同じだけれど、[br]絶対値は共役複素数との積の平方根になったね。[br][br]次は、[b]位相空間S[/b]。点aを中心にした半径r未満の内部がaの近傍N(a)で、[br]aはN(a)に入っていて、aの近傍が2つあれば、その重なりの中にさらに小さな近傍N(a)がある。[br]N(a)の中の点bの近傍N(b)をN(a)の中に作れる。別の2点があれば2近傍をかぶらないようにとれる。[br]これがSの各点でいえる。[br][br]点集合Aが円板や正方形Rに含まれるときにAは有界といった。[br]点集合Aを覆う開集合の集合、つまり開被覆があり、その一部でも開被覆がとれるならAはコンパクトといった。そして、[b]有界な閉集合はコンパクトで、コンパクトなら有界な閉集合[/b]だというハイネボレルの定理が成り立つ。ようするに、常識的な位相空間の代名詞だ。[br][br]実数Rには大小のキワはないが、実数の外にあるキワを2つの[b]無限大[/b](+∞、-∞)としよう。[br]どんな実数xについても-∞<x<∞となるね。[br]これを複素平面Cにあてはめよう。やはり、キワはないが、その外にある[b]無限遠点[/b]の集合{∞}をCにくっけよう。これが拡大された複素平面で[u]C[/u]=C∪{∞}だ。[br]イメージとしては3D空間で、xy平面と原点でくっつく球面S(リーマン球面)だ。[br]この球面Sと拡大された複素平面とで同型写像ができる。[br]つまり、[b]拡大ガウス平面とリーマン球面は位相同相[/b]になる、ピッタリとしたモデルになる。
2.複素関数
複素数はベクトルの線形性と回転相似の両面をもち、[br]指数表示、三角関数表示が基軸になることがわかった。[br]では、複素数を複素数に対応させる関数とはどのような特徴をもつのだろうか?[br][br]z=x+i y (複素平面)に対してw= u+ i v(複素平面)を対応させる関数w=f(z)を考えてみよう。[br][br][b][size=150]<2次関数>[br][/size][/b]z=x+iyに対してw=z[sup]2[/sup][br]w=(x+i y)[sup]2[/sup]=(x[sup]2[/sup]-y[sup]2[/sup])+i 2xy から、u=(x[sup]2[/sup]-y[sup]2[/sup]),v=2xy [br]x=±k(定数)とすると、[br]zの平面のy軸平行な[b]直線群[/b]からw平面でy[sup]2[/sup]=v[sup]2[/sup]/4x[sup]2[/sup]を代入して、[b]u[/b]=k[sup]2[/sup]-[b]v[/b][sup]2[/sup]/4k[sup]2[/sup][b][color=#0000ff]放物線[/color][/b]群へ移る。[br]y=±k(定数)とすると、[br]zの平面のx軸平行な直線群からw平面でx[sup]2[/sup]=v[sup]2[/sup]/4y[sup]2[/sup]を代入して、[b]u[/b]=-k[sup]2[/sup]+[b]v[/b][sup]2[/sup]/4k[sup]2[/sup]放物線群へ移る。[br][br][b][size=150]<逆数関数>[br][/size][/b]z=(r;cosθ)に対してw=1/z[br]w=(1;cos0)/(r;cosθ)=(1/r;cos(0-θ)=(1/r;cos(-θ)=[b]1/r e[sup]-iθ[/sup][/b][br][color=#0000ff][b]x軸対称移動[/b][/color]と、1をさかいに[b]サイズの反転[/b]の写像だ。[br]z平面のr>1、 y>0はw平面のy<0のr<1に移る。[br]z平面のr<1、 y>0はw平面のy<0のr>1に移る。[br]z平面のr>1、 y<0はw平面のy>0のr<1に移る。[br]z平面のr<1、 y<0はw平面のy>0のr>1に移る。[br]z平面のz=0はw平面の無限遠点全体に移り、zの無限遠点全体はw平面の原点w=0にうつる。[br][br][b][size=150]<一次分数関数>[br][/size][/b]zに対して1次関数w=a z + bはaによる回転拡大とbによる平行移動だね。[br]zに対してn乗w= z[sup]n[/sup] はzによる回転と拡大のn回連続になる。[br]zに対して1次分数関数[b]w= (az+b)/(cz+d) [/b]は係数分離で分子÷分母をしてカンタンな式にしよう。[br](a, b)÷(c,d)= a/c 余りb-ad/c=(ad-bc)/(-c)だから、[br][b]ad-bc=0のときはw=a/cの定数関数になる。[br][/b]α=(ad-bc)/(-c)、y=cz+d, β=a/cとおくと、 [br]ad-bc≠0なら、[b][color=#0000ff]w= (az+b)/(cz+d)= α/y+β[/color][/b]。[br]z→yでcによる回転拡大とdによる平行移動。[br]y→wで、x軸反転とサイズ反転とαによる回転拡大とβによる平行移動。
複素関数w=z^2
複素関数w=1/z
複素関数w=az+b
複素関数1次分数
3.指数・対数・三角関数
複素数の整式、有理式の関数についてみてきた。[br]それらは、複素数の2つの側面、回転拡大と平行移動の合成によってしくみをつかめることがわかったね。では、指数、対数、三角関数についてはどうだろうか?[br]それを順にみてみよう。[br][br]z=x+i y (複素平面)に対してw= u+ i v(複素平面)を対応させる関数w=f(z)を考える。[br][br][b][size=150]<複素指数関数>[br][/size]w=e[sup]z[/sup]=e[sup]x+iy[/sup]=e[sup]x[/sup]e[sup]iy[/sup]=e[sup]x[/sup](cosy + i siny)[br][/b]|e[sup]iy[/sup]|=|cosy + i siny|=1だから|w|=|e[sup]x[/sup]| から、[br]z平面からw平面の[b][color=#0000ff]大きさ|e[sup]x[/sup]|で偏角y[/color][/b]の複素数に移る。[br]z平面の虚軸x=0はw平面の半径1の円周になる。y=2πごとに1周する。[br]z平面のx=kの[b]y軸平行な直線は[/b]w平面の半径|e[sup]k[/sup]|の[b]円に移る[/b]。[br]z平面のy=kのx軸平行な[b]直線は[/b]、w平面の[b]偏角yが一定の直線に[/b]移る[br][b][color=#0000ff]z平面の格子点は、w平面の同心円群と比例の直線群の交点に移る[/color][/b]。[br][br][b]指数法則は、複素数でも成り立つ[/b]。[br]複素指数関数独自の法則は[b]e[sup]2nπi[/sup]=1[/b][br]e[sup]2nπi[/sup]=cos2nπ + i sin2nπ= 1+0=1
複素指数関数w=e^z
[b][size=150]<複素対数関数>[/size][/b][br][b]z=(r;θ)=x+iy=e[sup]w[/sup]のときに、w=logz=u+ivとしよう。[br][/b]z=e[sup]w[/sup]=e[sup]u[/sup]e[sup]iv[/sup]=re[sup]iθ[/sup][sup][br][/sup]から、r=e[sup]u[/sup], v=θ+2nπ(nは整数)[br]u=logrとなるから、[b][color=#0000ff]w=logz=(logr[sup] [/sup], θ+2nπ)[/color][/b][br]だから、z平面のzの動径の大きさのlogがu座標。[br]v座標は偏角argzに2πの整数倍をたした[b]多値関数[/b]になる。[br]z平面で[b]rが一定つまり円[/b]は、u=logrが一定だから[b]w平面の直線[/b]になる。[br]z平面でθが一定つまり[b]原点を通る直線[/b]は、w平面で[b]u軸に平行な直線群[/b]になる。[br][br]・多値関数をさけるために[b][color=#0000ff]大文字のLog[/color][/b]を定義することが多い。[br]v座標の範囲を[b]0以上2π未満かーπとπの間に制限[/b]し、[b][color=#0000ff]Logz=(logr, argz)[br][/color][/b]とする。
複素対数関数
[b][size=150]<複素三角関数>[/size][/b][br]xが実数のとき、オイラー等式が成り立った。[br]e[sup]ix[/sup]=cos x + i sin x , e[sup]-ix[/sup]=cos x - i sin x [br]xを複素数にしても成り立つなら、[br]e[sup]iz[/sup]=cos z + i sin z , e[sup]-iz[/sup]=cos z - i sin z[br]これから、和差算をして、[br][color=#0000ff][b]cos z=(e[sup]iz [/sup]+ e[sup]-iz[/sup])/2、sin z=(e[sup]iz [/sup] - e[sup]-iz[/sup])/2i、tan z=sin z/ cos z[br][/b][/color]がなりたち、[br]zにz+2nπを入れると,e[sup]2nπi[/sup]だけ変化するが、これは1だから、[br]cos (z+2nπ)=cos(z), sin(z+2nπ)=sin(z) [br]cos, sin が2πの周期関数であるのは実三角関数と同じだ。[br]他にもcos(-z)=cosz, sin(-z)=-sinzや[b]加法定理[/b]など実関数と同じ法則が成り立つ。[br][br]・cosz=cos(x+yi)=(e[sup]i(x+iy) [/sup]+ e[sup]-i(x+iy)[/sup])/2=1/2 [ e[sup]ix [/sup]e[sup]-y[/sup]+e[sup]-ix[/sup]e[sup]y[/sup]]=1/2 [ (cos x + i sin x)[sup] [/sup]e[sup]-y[/sup]+(cos x - i sin x)e[sup]y[/sup]][br]=1/2 [ cos x(e[sup]-y[/sup]+ e[sup]y[/sup])- i sin x(e[sup]y[/sup]-e[sup]-y[/sup])]= cos x(e[sup]-y[/sup]+ e[sup]y[/sup])1/2- i sin x(e[sup]y[/sup]-e[sup]-y[/sup])1/2 [br]=cosx cosh y - i sin x sinh y=(cosx cosh y , - sin x sinh y) [br]z平面でx軸に平行な[b]直線y= k[/b](定数)はw平面で(u,v)=( cosx coshk, - sinxsinhk) だから、[br] (u/coshk ) [sup]2[/sup]+(v/sinhk)[sup]2[/sup]= (cosx)[sup]2[/sup]+(sinx)[sup]2[/sup]=1となり、(u/a)[sup]2[/sup]+(v/b)[sup]2[/sup]=1の[b][color=#0000ff]楕円[/color][/b]になる。
複素三角関数w=cosz

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