[b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][/size][/size][/b][br]<条件と命題>[/size][/size][/b][br]真か偽かどちらかに判定できる式・文を[color=#0000ff]条件[condition]、命題[proposition][/color]という。[br]2つの条件p,qの間に、pを[color=#0000ff]前提[presupposition][/color]とするとqが[color=#0000ff]結論[conclusion][/color]とすることが正しいとき、[br][color=#0000ff][u]命題「pならばq」[/u][/color]が成り立つという。[br]このとき、前提条件pを[color=#0000ff]十分条件[sufficienat condition][/color]、結論qを[color=#0000ff]必要条件[nessecery ondition][/color]という。[br]p⇒qとかく。[br]逆のq⇒pも成り立つとしたら、pとqは真偽の上では同じ条件(同値)と言える。[br]pとqはともに[color=#0000ff]必要十分条件[/color]という。[br]条件pを満たす要素の集合をP、条件qを満たす要素の集合をQとする。[br][b][color=#0000ff][size=150][u]p(十分)⇒q(必要)が成り立つとき、集合Pは集合Qの部分集合[/u]になっている。[br]つまり、「部分⇒全体」は正しい。[br][/size][/color][/b][br][color=#0000ff](例)[/color]「人間」ならば「動物」だ。「人間」の集合は「動物」の[color=#0000ff]部分集合[/color]になっている。[br]「人間である」なら[color=#0000ff]十分[/color]、動物と言えるし、[br]「動物である」ことは、「人間である」ための[color=#0000ff]必要[/color]条件。[br]言い換えると、p⇒qが成り立つのは、対応する集合で[math]P\subseteq Q[/math]になるときだ。[br][br][color=#0000ff](例)[/color]整数x全体のうち、[br]「xは2ならばxは偶数で素数」も「xが偶数で素数ならxは2」も両方真なので、[br]「xは2だ」と「xは偶数で素数だ」は同値(必要十分条件)だ。[br][br][b][size=150]<論理式>[/size][/b][br]2つの条件p,qがあるとき、[br]命題「pかつ(and)q」のことを[color=#0000ff]p∧q[/color]とかき、[color=#0000ff]論理積(logical and)[/color]という。[br]命題「pまたは(or)q」を、[color=#0000ff]p∨q[/color]とかき、[color=#0000ff]論理和(logical or),[/color]という。[br]命題「pでない」を¬pとかき、[color=#0000ff]否定(negation)[/color]という。[br]要素となる命題p,q,.....に対して、論理計算(∧、∨、¬)をしたものを[color=#0000ff]論理式[/color]という。[br]論理式の真偽は要素となる命題(条件)の真偽の組み合わせで決まる。[br]論理式の真偽は要素命題の真偽の関数になる。[br][br][b][size=150]<真理条件>[br][/size][/b]真を1、偽を0とかくことにすると、p,qの真偽は2数組で表すことができる。[br](p,q)=10,11,01,00に対して、p∧qが真なのは11のときに限る。[br](p,q)=10,11,01,00に対して、p∨qが偽なのは00のときに限る。[br](p,q)=10,11,01,00に対して、p⇒qが偽なのは10のときに限る。[br]pが真なのにqが偽のときだけ、偽になる。[br]条件pを満たす要素の集合をP,条件qを満たす要素の集合をQとする。[br]論理積p∧qを満たす要素の集合は、[math]P\cap Q[/math]で集合の重なり、積集合。[br]論理和p∨qを満たす要素の集合は、[math]P\cup Q[/math]で集合の合併、和集合。[br]p⇒qを満たす要素の集合は、[math]\neg P\cup Q=\neg\left(P\cap\neg Q\right)[/math]集合Pのうち集合Qに重ならない部分だけ除外する。[br][br][size=150][b]<「ならば」の真偽>[/b][br][/size]日常的には「pならばq」が正しいのは「pのときだけqが成り立つ」という意味のときが多い。[br]しかし、数学的には、「(pのときにqが成り立たない)ことを否定する」という定義になる。[br]だから、pが成り立たないときのqの真偽は問わない。pが成り立っているときだけで調べる。[br][b][size=150][color=#0000ff][u]「pならばq」が偽の証明[/u][/color]には、「pなのにqでない例(反証例、[color=#0000ff]反例[/color])」が1つあればよい。[br][/size][/b][br][b][size=150]<背理法>[/size][/b][br]反例とは反対に、[br][b][size=150][color=#0000ff][u]「pならばq」が真の証明[/u][/color]には、「pなのにqでない」とすると矛盾が生じると言う[/size][/b]証明がある。この証明方法を[color=#0000ff][b][size=150]背理法[[i]proof by contradiction[/i]][/size][/b][/color]という。[br][color=#0000ff](例)[/color]「nの2乗が3の倍数ならnは3の倍数だ」を証明するために、[br]結論だけ否定した命題「nの2乗が3の倍数でnが3の倍数でない」を仮定してみよう。[br]nが3の倍数でないならば、n=3k+p(p=1,2)とおける。[br]n[sup]2[/sup]=(9k[sup]2[/sup]+6pk)+p[sup]2[/sup]=3(3k[sup]2[/sup]+2pk)+p2は3で割るとp2あまる。p=1,2を代入すると、どちらもp2は3の倍数に[br]ならないので、nの2乗は3の倍数ではない。これは仮定と矛盾する。[br]だから、「nの2乗が3の倍数ならnは3の倍数だ」は正しい。[br][br]
[b][size=150]<ド・モルガンの法則>[/size][/b][br][color=#0000ff][b]「ANDの否定」イコール「否定のOR」。¬(p∧q)⇔¬p∨¬q[br][/b][/color]2つの命題p,qがあるとき真理値(p,q)=10,11,01,00に対して、[br](¬p,¬q)=01,00,10,11となる。[br]だから、¬p∨¬qは¬p,¬q=00以外、つまりp,q=11以外は真。[br]論理積p∧qはp,q=11のときのみ真だから、[br]否定¬(p∧q)は、pq=11以外は真となる。[br][color=#0000ff](例)[/color](2の倍数で3の倍数)の否定は、2の倍数でないか3の倍数でない。[br][color=#0000ff](例)[/color]AとBの2人でくじを引いた場合、当たりが真。[br]「2人とも当たりの否定は、はずれの人がいる」。[br][br][color=#0000ff][b]「ORの否定」イコール「否定のAND」。¬(p∨q)⇔¬p∧¬q[br][/b][/color]2つの命題p,qがあるとき真理値(p,q)=10,11,01,00に対して、[br](¬p,¬q)=01,00,10,11となる。[br]だから、¬p∧¬qは¬p,¬q=11のみ、つまりp,q=00のみ真。[br]論理積p∨qはp,q=00のときのみ偽だから、[br]否定¬(p∨q)は、pq=00のみ真となる。[br][color=#0000ff](例)[/color](3の倍数または5の倍数)の否定は、[br]3の倍数でも5の倍数でもない。[br][color=#0000ff](例)[/color]AとBの2人でくじを引いた場合、当たりが真。[br]「1人は当たりの否定は、2人ともはずれ」。[br][br][b][size=150]<逆・裏・対偶>[br][color=#0000ff][size=100]「pならばq」をpとqは同じことと受け止めて、qならばpが言えると勘違いする人もいる。[br]この危険をさけるためには、順番がちがうと別の命題になることを意識すること。[br]場合わけして考える緻密さ・慎重さが大切だね。[br]p,qの真偽で場合わけする代わりに、類似した4つの命題を並べて違いを意識する方法がある。[br][/size][/color][/size][/b][br]p⇒qの[color=#0000ff]逆[/color]は、前提と結論を入れ替えたもので、[color=#0000ff]q⇒p[/color]。[br]p⇒qの[color=#0000ff]裏[/color]は、前提と結論の順番を変えず、[br]両方とも否定して、[color=#0000ff]¬p⇒¬q[/color]。[br]p⇒qの[color=#0000ff]対偶[/color]は、裏の逆、または、逆の裏のこと。[br]もとの命題と同値になる。[color=#0000ff](¬q⇒¬p)⇔(p⇒q)[/color]。[br][size=150][b]だから、[u][color=#0000ff]p⇒qを証明するためには、結論の否定から前提の否定が言えればよい[/color][/u]。[br][/b][/size][color=#0000ff](例)[/color]「√3が無理数なら√12は無理数だ」を証明するために、[br]「√12が有理数なら√3が有理数になる」が言えればよい。[br][color=#0000ff](例)[/color]「nの2乗が3の倍数ならnは3の倍数だ」を証明するために、[br]「nが3の倍数でないならばnの2乗が3の倍数でない」を証明すればよい。[br][color=#0000ff](例)[/color]「nの2乗が偶数ならnは偶数だ」を証明するために、[br]「nが奇数ならばnの2乗が奇数だ」を証明すればよい。[br][color=#0000ff](例)[/color]「mnが偶数ならmが偶数またはnが偶数だ」を証明するために、[br]「mが奇数でnが奇数ならmnは奇数だ」を証明すればよい。[br][br][size=150][b]<述語論理>[/b][/size][br]命題と命題のつながりを真偽の関係から調べるのが[color=#0000ff]命題論理[/color]。[br]一方で、命題を主語と述語に分解してさらに詳しく調べるのが[color=#0000ff]述語論理[/color]。[br]変数xを主語にしたときの述語をfとする。[br]この文をxの関数を考えてf(x)とかき、変数xを束縛する記号をつけて、真偽を調べる。[br](例)[br] A「すべての実数xについて、x[sup]2[/sup]>0」の否定は、B「ある実数xについてxは0以下」です。[br] Bはx=0のときに成り立つから真。[br] すべてはAllのAをひっくり返し、あるはExistのEをひっくり返して、xにつけ、そのあとに[br] xの述語をかく。以下のような書き方もある。Allの否定はExitをつけて述語を否定する。[br] 1種のドモルガンの定理と言えるね。[br] [math]\neg\left(\forall x\right)\left[x^2>0\right]\Longleftrightarrow\left(\exists x\right)\left[x^2^{ }\le0\right][/math][br][br][br]