[size=100][size=150][code][/code][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][br][b]<集合は思考の道具だ>[/b][/size][/size][br]集合(class,set)を使うことで、考える対象が明確になる。[br]集合は対象の明確化の道具なので、2つ以上の集合の関係の明確化ができる。[br]だから、集合は論理的に考えるための道具として使うことができる。[br]そのため、集合は数学だけでなく、他の学問、ビジネスでもよく使われる。[br][br]集合の定義は入る資格([color=#0000ff]内包[Connotation][/color])か、[br]所属するもの([color=#0000ff]要素[Element][/color])の羅列([color=#0000ff]外延[Extension,Denotation][/color])によって実行する。[br][color=#0000ff](例)A={x|xは1けたの正の整数}(内包)、B={1,2,3,4,5,6,7,8,9}[br][/color] C={x| 3(例)プログラミング言語Pythonでも、リスト(List)と集合(Set)は区別している。[br][br][b][size=150]<空集合・全体集合・補集合>[br][/size][/b]集合には大文字1文字を使うことが多い。集合に[color=#0000ff]属する要素[/color]には小文字1文字を使うことが多い。[br][color=#0000ff](例)[/color]整数aが偶数の集合Eの要素であることの表し方[math]a\in E[/math][br] bがEの要素でないことは[math]E\not\ni b[/math][br][color=#0000ff][b][size=150]0が数であるように、何も要素がない空っぽの集合である。[br][/size][/b][/color]要素がない集合を、[color=#0000ff][b][空集合](Empty set)と言い、∅、[/b][/color][math]\phi[/math][color=#0000ff][b]とかく[/b][/color]。[br]集合を視覚化するためは、[u]ベン図や表、樹形図[/u]などを使う。[br]集合は単独に使うのではなく、考える対象の全体としての集合の部分として使う。[br][color=#0000ff][全体集合][/color]U(Universe)を整数の集合とするとき、偶数の集合をAとする。[br]Aの以外の部分、UーAは奇数の集合になる。A以外の集合をAの[color=#0000ff][補集合][/color](余集合)と言う。[br]Aにcを上につけたり、Aの直前に[math]\neg[/math]をつけたり、Aの真上にーをのせたりする。[br][br][br]
[size=150][b]<和>[br][/b][/size] 2つの集合A、Bで、Aの要素[color=#0000ff]「または(or)」[/color]Bの要素の集まりをAとBの[color=#0000ff][和集合(Union)][/color]という。[br][math]\cup[/math]は2つの集合を合併してあわせる演算である。[math]A\cup B[/math]とかく。[br][size=150][b][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば[/size][size=100]、[br]和集合は[/size][/size][size=150][size=100]「3の倍数または5の倍数」の集合。[br][/size][/size][size=150][b][br]<積>[br][/b][/size]2つの集合A、Bで、Aの要素[color=#0000ff]「かつ(and)」[/color]Bの要素の集まりをAとBの[color=#0000ff][積集合(Intersection)](共通部分)[/color]という。[br][math]\cap[/math]は2つの集合の共通部分に限定する演算である。[math]A\cap B[/math][size=150][size=100]とかく[/size][b]。[br][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば[/size][size=100]、[br]積集合[/size][/size][size=150][size=100]は「3[/size][/size][size=150][size=100]×5=15の倍数」の集合。[br](数的、論理的に積に対応するから積集合の名があるのだろう。)[br][/size][/size][size=150][size=150][b][br]<差>[br][/b][size=100]全体集合Uのうち、Aの要素[color=#0000ff]「でない」[/color]ものの集まりを[color=#0000ff][補集合(Complement)][/color]という。[br][/size][math]\neg A[/math][size=100]とかくことにする。[br][/size][/size][/size]2つの集合A、Bで、Aの要素「であるが」Bの要素「でない」ものの集まりを[color=#0000ff][差集合(Difference)][/color]という。A-Bとかく.[br]差集合A-B=[math]A\cap\neg B=A-A\cap B[/math]。[br]AからAとBの積集合(共通部分)を取り除いた残りとも言える。[br][size=150][b][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば、[br]差集合A-Bは3の倍数だが5の倍数でない集合。[br][/size][/size][br][size=150][b]<対称差>[/b][/size][br]2つの集合A、Bで、AとBの[color=#0000ff]「どちらか片方だけ」[/color]の要素の集まりをAとBの[color=#0000ff][対称差(Symmetric difference)][/color]という。[br]A-BとB-Aを合併したもので、[color=#0000ff]排他的な和[/color]集合ともいい、[br]狭い方の「[b]日本語のまたは[/b]」と同じ意味になる。[br]回路設計やプログラミングに役立つことがある。[br][math]\left(A\cap\neg B\right)\cup\left(B\cap\neg A\right)[/math][br][size=150][b][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば、対称差は3か5の片方だけの倍数の集合。[/size][/size][br]
[size=150][b]<集合の要素数>[/b][/size][br]1つの集合Aの[color=#0000ff]要素数をn(A)[/color]とかき、集合のサイズという。[br][color=#0000ff](例)[/color]プログラミング言語では、集合やリストAの要素数をsize(A),Length(A),len(A)などと書く。[br][br][b][size=150]<集合の部分>[/size][/b][br]1つの集合の要素の一部分を要素とする集合をもとの集合の[color=#0000ff][部分集合[Subset]][/color]という。[br]もとの集合のサイズをnとすると、n個の要素の所属が2通りずつある。[br]だから、[color=#0000ff]部分集合の個数は2[sup]n[/sup]個[/color]ある。[br][br][color=#0000ff](例)[/color]A={1,2,3,4}の部分集合は2[sup]n[/sup]個ある。[br] サイズ4が4C4、サイズ3が4C3、サイズ2が4C2、サイズ1が4C1、サイズ0が4C0(個)[br] [color=#0000ff]4C4+4C3+4C2+4C1+4C0=1+4+6+4+1=16=2[sup]4[/sup][br] [/color]サイズ4が4C4=1個ある。{1,2,3,4}[br] サイズ3が4C3=4個ある。{1,2,3},{1,2,4},{1,3,4},{2,3,4}[br] サイズ2が4C2=6個ある。{1,2},{1,3},{1,4},{2,3},{2,4},{3,4}[br] サイズ1が4C1=4個ある。{1},{2},{3},{4}[br] サイズ0が4C0=1個ある。[math]\phi[/math] [br]どんな整数の約数にも1とその数自身があるように、[br]どんな集合の部分集合として、空集合とその集合自身の2個はある。[br][br][b][size=150]<集合の包含と相等>[/size][/b][br]AがBの部分集合ならば、[math]A\subseteq B[/math]。BがAの部分集合ならば、[math]B\subseteq A[/math]。[br]この2つが両方なりたつときに、[math]A=B[/math](相等)[br][color=#0000ff](例)[/color]6の倍数Aは2の倍数Bの部分集合なので、[math]A\subset B[/math][br][br][b][size=150]<集合の類別>[/size][/b][br]1つの集合を重なりのない複数の集合に分けることを類別という。[br][color=#0000ff](例)[/color]整数全体Nを、5で割ったあまりによって、5つの集合に類別できる。[br]余りがnの部分集合をCnとかくと、[br][math]N=C0\cup C1\cup C2\cap C3\cap C4[/math](整数は余りが0,1,2,3,4のどれか1つに決まり、それ以外ない)[br][math]i\ne j\therefore Ci\cap Cj=\phi[/math](余りがちがうと重なる要素はない。排反)