[b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/a4dwkkhh]探求 数学Ⅲ[/url]」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][b][size=100][size=150][color=#999999][br][/color][/size][/size][/b]
[size=150][b][size=150]<合成関数>[br][/size][/b][size=100]関数を入れ子にすることを関数の合成という。[br]関数f(x)とg(x)があるときf(g(x))の入れ子は、gを先にしてその値にfをする。[br]しかし、書式としてはf・g(x)=f(g(x))のように、先にfを書くので注意。[br][/size][b]<分数関数>[/b][/size][br]y=多項式f(x)÷多項式g(x)=[math]\frac{f\left(x\right)}{g\left(x\right)}[/math] を[color=#0000ff][b]分数関数・有理関数[rational function][/b][/color]という。[br]k≠0で、y=k/xはxy=kとなり、反比例のグラフつまり、双曲線になるね。[br][b]kが正なら第奇数象限[/b]にあり、kが負なら第偶数象限にある。x軸とy軸が漸近線になる。[br][b]漸近線(x=0,y=0)[/b]の交点である原点(0,0)が(p,q)に移動しよう。[br]X=x+p,Y=y+qから、x=X-p,y=Y-qとなる。だから、関数のグラフを平行移動すると、関数の式はxにx−pを代入し、yにy−qを代入した式になる。[br][math]y=\frac{k}{x}はy=\frac{k}{x-p}+q[/math]となる。[br]・[math]y=\frac{ax+b}{cx+d}\rightharpoonup y=\frac{k}{x-p}+q[/math] の標準化の仕方。[br] c=1のときは、整式の組み立て除法で、(a,b)÷(c,d)の商がq, 余りがr。[math]\frac{r}{x+d}+q[/math] から、p=-dとなる。[br] c≠1のときは、除法の結果商がq,余りがrなら、 [math]\frac{r}{cx+d}+q[/math] から、分数をcで約し、p=-d/c。[br]・分母・分子が2次以上の分数関数は[br]因数分解・両方をxで割る・分子を分母で割って帯分数形にする・部分分数に分解する・2乗の差[br]などを利用して、式の単純化や次数下げをしよう。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]「[math]f(x)=\frac{-3x+2}{x-2},g(x)=\frac{x-1}{x+2}[/math], x[sub]1[/sub]=-3, x[sub]n+1[/sub]=f(x[sub]n[/sub])のとき、a[sub]n[/sub]=g(x[sub]n[/sub])の一般項」は?[br] a[sub]n+1[/sub]=g(x[sub]n+1[/sub])=g(f(x[sub]n[/sub]))だから、g(f(x))=k(x)g(x)のようなk(x)を見つけたい。[br] [math]g(f(x))=\frac{f(x)-1}{f(x)+2}=\frac{(-3x+2)/(x-2)-1}{(-3x+2)/(x-2)+2}[/math] =[math]\frac{-3x+2-(x-2)}{-3x+2+2(x-2)}=\frac{-4x+4}{-x-2}=4\cdot\frac{x-1}{x+2}[/math]=4g(x)[br] これによって、g・fを4gに置き換えられる。[br] a[sub]1[/sub]=g(x[sub]1[/sub])=g(-3)=(-4)/(-1)=4。a[sub]n+1[/sub]=g(x[sub]n+1[/sub])=g(f(x[sub]n[/sub]))=4g(x[sub]n[/sub])=4a[sub]n[/sub]。[br] つまり、a[sub]n+1[/sub]=4a[sub]n[/sub]という等比型になる。a[sub]n[/sub]=4[sup]n[/sup]。[br](参考)[br](結果として、[b]関数gをヘルパーとしてanの一般項を求めることができた[/b]。[br]だから、関数gの逆関数をつけうとxnの一般項を求めることもできるはずだね。[br]g(x)=[math]y=\frac{x-1}{x+2}[/math] のxとyを交換して、[math]x=\frac{y-1}{y+2}[/math] xy+2x=y-1 y(x-1)=-1-2x。g[sup]-1[/sup](x)=[math]\frac{2x+1}{1-x}=-2+\frac{3}{1-x}[/math][br]これから、xnの一般項は[math]x_n=-2+\frac{3}{1-4^n}[/math])[br]([color=#0000ff]別解[/color])[br]ヘルパー関数gを使わずにxnの一般項を求めてみよう。[br]もしもx[sub]n[/sub]が収束するとしたら、[b][color=#0000ff]n番目もn+1番目も同じになるはずで、それをxとしよう[/color][/b]。[br][math]x=\frac{-3x+2}{x-2}[/math] から、x[sup]2[/sup]-2x=-3x+2。x[sup]2[/sup]+x-2=(x-1)(x+2)=0 。x=1,-2。そこで、b[sub]n[/sub]=x[sub]n[/sub]+2とすると、b[sub]1[/sub]=x[sub]1[/sub]+2=-1。[br]b[sub]n+1[/sub]=a[sub]n+1[/sub]+2=[math]\frac{-3a_n+2}{a_n-2}+2=-3+\frac{-4}{a_n-2}+2=-1+\frac{-4}{a_n+2-4}==-1+\frac{-4}{b_n-4}=\frac{-bn}{b_n-4}[/math] [br]これから、[math]b_{n+1}=\frac{-b_n}{b_n-4}[/math]。逆数をとると、[math]\frac{1}{b_{n+1}}=\frac{-b_n+4}{b_n}=-1+\frac{4}{b_n}[/math] ,[math]\frac{1}{b1}=-1[/math] 。[br]c[sub]n[/sub]=1/b[sub]n[/sub]とすると、x=-1+4xの解がx=1/3なので、[math]cn-\frac{1}{3}=4\left(c_{n-1}-\frac{1}{3}\right)=4^{n-1}\left(-1-\frac{1}{3}\right)=\left(-\frac{1}{3}\right)4^n[/math][br]c[sub]n[/sub]=[math]\frac{1}{3}+\left(-\frac{1}{3}\right)4^n=\frac{1-4^n}{3}[/math] b[sub]n[/sub]=[math]\frac{3}{1-4^n}[/math] x[sub]n[/sub]=b[sub]n[/sub]-2=[math]\frac{3}{1-4^n}-2[/math][br]これをg(x)=[math]1-\frac{3}{x+2}[/math]に入れるとa[sub]n[/sub]が出せる。[math]1-\frac{3}{\left(\frac{3}{1-4^n}-2\right)+2}=1-\frac{3}{\frac{3}{1-4^n}}=1-\left(1-4^n\right)=4^n[/math]。[br][color=#0000ff][br](例)[/color][br]「関数[math]xy=3x+2y-5[/math] 上の点P(x,y)(xは0より大でa以下、yが負)のx+yの最大値」は?[br](x-2)(y-3)=1から、[math]f\left(x\right)=y=3+\frac{1}{x-2}[/math] 分数関数で、漸近線がx=2, y=3の双曲線のグラフになるね。[br]これに対してx+y=k, つまりy切片がkで傾き-1の直線y=-x+kが双曲線と接するときに最大、最小となる。[br]この直線の式のy=k-xを双曲線の式に代入(k-x)(k-x-3)=1。これをxについて整理しよう。[br]x[sup]2[/sup]+(1-k)x+(2k-5)=0でD=(k-3)(k-7)=0から、k=3,k=7で接するね。[br]しかし、グラフからk=7ではxが2を超えた領域なので不適。[br]k=3が最大になるのはx[sup]2[/sup]+(1-3)x+(2・3-5)=x[sup]2[/sup]-2x+1=(x-1)[sup]2[/sup]=0から、x=1。[br]aが1以上2未満ならば、接点が定義域に入るのでk=3が最大になる。[br]aが1未満だと、接点ではなくy=f(x)の際(a, f(a))を直線が通るときにy切片kが最大値になるね。[br]最大値はk=x+y=a+f(a)=[math]a+3+\frac{1}{a-2}=\frac{\left(a+3\right)\left(a-2\right)+1}{a-2}=\frac{a^2+a-5}{a-2}[/math][br][b][size=150]<無理関数>[/size][/b][br][math]y=\sqrt{多項式}[/math]を[color=#0000ff][b]無理関数[irrational function][/b][/color]という。[br]y=[math]\sqrt{kx}[/math] (kxは非負) はy[sup]2[/sup]=kx=4pxとなり、準線x=-p=-k/4と焦点(p,0)=(k/4,0)の[b]放物線の第1象限部分[/b]。[br]原点(0,0)を(p,q)に移動するように[br]関数のグラフを平行移動すると、関数の式は規則的に置き換えがおきる。[br][math]y=\sqrt{kx}はy=\sqrt{k\left(x-p\right)}+q[/math]となる。[b]√の中は非負になるようにxの定義域を限定[/b]する。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]「直線y=ax-1と[math]y=\sqrt{x-1}[/math]と異なる2点で交わる直線aの傾きの範囲」は?[br]y=√(x-1)はx>=1の定義域だから、A(1,0)がグラフの端点。[br]直線がAを通るとき0=a-1から傾きが1。傾きが1より増やすときに接点があるのは、[br]直線がy[sup]2[/sup]=(ax-1)[sup]2[/sup]=ax[sup]2[/sup]-2ax+1=x-1。a[sup]2[/sup]x[sup]2[/sup]-(2a+1)+2=0の判別式D=(2a+1)[sup]2[/sup]-8a[sup]2[/sup]=-(4a2-4a-1)=0となる[br]a=a=(2±√8)/4=(1±√2)/2で接する。D>のときはaがこの2解の間のときだから、a=1も入る。[br]直線の傾きaが1以上(1+√2)/2より小のとき。[br][b][size=150]<逆関数>[/size][/b][br]y=f(x)の[color=#0000ff][b]逆関数[inverse][/b][/color]はxからyを出す逆だからyからxを出す関数になりx=f[sup]-1[/sup](y)。[br]このままだと、yを定義域として、xを値域としただけでグラフ自体は何も変化しない。[br]そのため、xとyを入れ替えた式を作りyについて解くとxを定義域にした式ができる。[br]逆関数のグラフはxとyの役割が変わるように視点を変えるのでは、グラフ自体をy[color=#0000ff][b]=xについて[br]線対称移動することで、xとyの役割を視点を変えずに変えられる[/b][/color]。[br]任意の2つのx1,x2について、x1<x2ならば、[br]必ずf(x1)<f(x2)になる場合、f(x)を増加関数といいます。[br]その逆に、xの大小とf(x)の大小が逆になるものを減少関数といいます。[br]増加関数の逆関数を増加関数になり、減少関数の逆関数を減少関数になります。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]y=e[sup]x[/sup]の逆関数はy=logx (x>0)で、両方とも増加関数です。[br]y=1/xの逆関数はy=1/x (x≠0)で、減少関数です。[br]y=x[sup]2[/sup]の逆関数はy=√x(x>0)で両方とも増加関数。[br][math]y=\frac{2x+1}{x-1}[/math] の逆関数は、xとyの交換したx(y-1)=2y+1 xy-x-2y=1 y(x-2)=x+1から、 [math]y=\frac{x+1}{x-2}[/math] (x≠0)。[br]y=3[sup]2x-1[/sup]の逆関数は、xとyの交換したx=3[sup]2y-1[/sup]の対数logx=(2y-1)log3から、[math]y=\frac{log_3x+1}{2}[/math] (x>0)。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]「関数[math]f\left(x\right)=2x^2+2x+1\left(x\ge-\frac{1}{2}\right)[/math] の逆関数をy=g(x)とy=2x-1の距離が最小になるg上の点」は?[br][math]f\left(x\right)=2x^2+2x+1=2\left(x+\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2}[/math] から、f(x)は軸がx=-1/2,頂点(-1/2,1/2)の放物線.[br]変数x,yを交換したg(x)は軸がy=-1/2で、頂点が(1/2, -1/2)の無理関数になるね。[br]式は[math]x=2\left(y+\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2},y=g\left(x\right)=\sqrt{\frac{1}{2}\left(x-\frac{1}{2}\right)}-\frac{1}{2}[/math] [br]xの定義域は1/2以上でyの値域は-1/2以上だね。[br][br]直線を陰関数表示にして2x-y-1=0、g(x)上の点は[b]P(x,y)=(t,g(t))[/b]とかけるが、[br][b]逆関数だからP(x,y)=(f(t),t)[/b]=(2t[sup]2[/sup]+2t+1,t)ともかけるね。[br]g(x)上の点Pから直線2x-y-1=0に下ろした垂線の長さは[math]\text{D(t)=}\frac{\left|2\left(2t^2+2t+1\right)-t-1\right|}{\sqrt{2^2+\left(-1\right)^2}}=\frac{1}{\sqrt{5}}\left|4t^2+3t+1\right|=\frac{1}{\sqrt{5}}\left|4\left(t+\frac{3}{8}\right)^2-\frac{9}{64}\cdot4+1\right|=\frac{1}{\sqrt{5}}\left|4\left(t+\frac{3}{8}\right)^2+\frac{7}{16}\right|[/math][br]t=-3/8のとき、D(-3/8)=[math]\frac{1}{\sqrt{5}}\frac{7}{16}=\frac{7\sqrt{5}}{80}[/math] が距離の最小値。[br]このとき、g上の点P(x,y)=(f(t),t)=[math](f(-\frac{3}{8}),-\frac{3}{8})=(2\left(-\frac{3}{8}\right)^2+2\left(-\frac{3}{8}\right)+1,-\frac{3}{8})=\left(\frac{17}{32},-\frac{3}{8}\right)[/math] [br]x=17/32は定義域の際x=1/2以上に入っている。
[b][size=150]<同一関数の合成は反復>[br][/size][/b]同一関数y=f(x)を入れ子にしてみよう。[br]x→f(x)→f(f(x))というように関数f・fはfの反復になる。[br]たとえば、y=f(x)=[math]\frac{1}{2}x[/math]とすると、[br]f・f・fは漸化式a[sub]n+1[/sub]=[math]\frac{1}{2}[/math]a[sub]n[/sub]のとき,a[sub]1[/sub]からa[sub]4[/sub]を求めることと同じになるね。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]「正方形の形のもちがある。もちをこねるときに、左から半分の位置でたてに折り目をつける。[br]その折り目の右がわを左に折りたたんで右に2倍に伸ばす。これを3回くり返す。[br]このとき動かない点(不動点)」はどこにある?[br]定義域を0以上1以下として、1/2以下のxに対してはy=2xとなり、それ以外のxに対しては、[br]x=1/2の線で対称的な変化をするから、傾き−2で(1,0)を通る線分y=-2(x-1)=2−2xとなる。[br]不動な点はy=xだから、交点は2−2x=xから[math]x=\frac{2}{3}[/math]。だから、左から、2/3の位置にある[br]もちはまったく動かない。3回くり返しても動かない。