[size=150][b]このワークシートは[url=https://www.geogebra.org/m/twxxx3yq]Math by Code[/url]の一部です。[br][br][/b][size=100]熱、気体、電気、磁気、いろんなものが[br]空中、空間にただよってます。[br]空間の中の点は位置を持ちますね。[br]位置は座標表示すると実数組ですが、ベクトルを使うと1文字で表せます。[br]空間の点ごとに、何かの量を持つとしたら、[br][br][/size][b]空間にあるベクトルの1つ1つに量が対応する関数になっているといえるね。[br][br][/b][b]これをベクトル場(vector field)という。[br]電場、磁場などがあるね。[br][br][/b][size=100]これからベクトル場について、深めていこう。[br][/size][size=100]今回は、その前にベクトルの微分について考えてみよう。[br][br][/size][/size][size=150][b]<内積dot>[/b][/size][size=150][size=100][br]2つのベクトルa,bの[b]内積[/b] (a・b) =|a||b|cosθ [br] =AからOBに下した垂線の足がHなら、OAの正射影OHを使い、[br] OH×OB (θが90度だと0、鋭角なら正、鈍角なら負。)[br]原点Oを始点とする位置ベクトルOA([b]a[/b]), OB([b]b[/b])の終点を結ぶ三角形OABで余弦定理を使う。[br][b] AB[sup]2[/sup]=|a|[sup]2[/sup]+|b|[sup]2[/sup]-2|a||b|cosθ=[/b][b]|a|[sup]2[/sup]+|b|[sup]2[/sup]-2(a・b) [br][/b][/size][/size]・[b]内積[/b]は文字式の展開が使える。交換、分配、結合すべてOK。[br] (a+b)・(a+b)=|a|[sup]2[/sup]+2(a・b)+|b|[sup]2[br][/sup] [b](a+b)・(a-b)=[/b][b]|a|[sup]2[/sup]-|b|[sup]2[/sup][/b][br][sup] [/sup]a・a=|a|[sup]2[/sup]だから、ベクトル自身への内積はベクトルのサイズの2乗[br]・内積の成分計算は、a・b=(ax, ay, az)・(bx,by,bz)=axbx+ ayby+azbzのように[br] 各基底ごとの成分の積の和なので、次元に関係なくスカラーになります。[br][color=#0000ff]・内積=0がベクトルの[b]垂直の判定[/b]になるのが便利。[br] また、内積÷ベクトルの大きさの積=cosθによって、cosθが成分だけで計算できて便利だね。[br][/color][b] cosθは、データサイエンスなどで、ベクトルの類似度として高次元でも使われます。[/b][br] 2ベクトルの方向性が近いとθは小さく、cosθは大きくなるからですね。[br][color=#0000ff](例)[/color]3次元の基底ベクトルi, j, kについての内積は、[b]i×i=j×j=k×k=1、[/b][b]i×j=j×k=k×i=0 [br][/b] これは正規直交基底であることの結果と言えるね。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]物理では、内積は仕事量の計算に使えます。[br]ある物体(質点)に力fを加えた変位がsで、ともにベクトルとする。[br]2つのベクトルは共線でなくてもよい。ベクトルがした[b]仕事は内積f・s[/b]と等しい。[br]動かしたい方向に力fを正射影することで、仕事が無駄な方向になっていても動かしたい方向での[br]力をかけることができるね。[br]
[b][size=150]<外積cross>[br][/size][/b]原点Oを始点とする位置ベクトルOA([b]a[/b]), OB([b]b[/b])が張る平行四辺形OACBを作る。[br] OAをOBに重ねる角を右ねじにしたときのねじの進行方向のベクトル[b]e[/b]の[br] 平行四辺形OACBの面積倍のベクトルを、AとBの[b]外積[/b]A×Bという。B×A=-A×B[br]・AからOBに下した垂線の足がHなら、平行四辺形OACBの面積S=|a||b|sinθ=AH×OB[br] 外積の大きさは2つのベクトルの張る平行四辺形の面積Sだから、[b]a×a=[/b]S[b]e=0ベクトル[/b][br] |a✕[i]b[/i]|[i]=[/i][i]S=|[i]a[/i]||[i]b[/i]|sinθ[math]=|a||b|\sqrt{1−cos^2θ}=\sqrt{\text{|a|^2|b|^2−|a|^2|b|^2cos^{2^{ }}θ}}[/math][math]=\sqrt{\left(\left|a\right|\left|b\right|\right)^2-\left(a\cdot b\right)^2}[/math][/i][br][b]・外積[/b]は[b]交換法則が成り立たず[/b]、結合・分配法則は成り立つ。[br] A×(B+C)=A×B+A×C、aA×B=a(A×B) [br] [b](a+b)×(a-b)=a×a+b×a-a×b-b×b=2b×a[/b] という変な結果になってしまう。[br]・外積a×bの成分計算は、det( {ax,ay} , {bx,by} } 、det( [b]{i, j, k}[/b] , {ax,ay,az} , {bx,by,bz} } [br] のように、次元によって変わります。[br] 2次元の2ベクトルの外積のベクトルは第3の方向を指すので、2次元表示できません。[br] 3次元の2ベクトルの外積のベクトルは平行四辺形と垂直なので、3次元表示できます。[br][color=#0000ff]・外積=[b]0[/b]は2ベクトルが共線であることの判定に使えるね。[br] 外積の絶対値÷ベクトルの大きさの積=sinθになるので、sin計算が成分でできてしまうので便利だ。[br][/color]・[b]スカラー3重積[/b](A,B,C)=A・(B×C)はA,B,Cが張る平行6面体の体積に等しい。[br] 図をかくと、BCの作る底面積×Aの高さに等しいから。[br]・[b]ベクトル3重積[/b]A×(B×C)=(A・C)B-(A・B)C、(A×B)×C=(A・C)B-(B・C)A[br][color=#0000ff](例)[/color][br]3次元の基底ベクトルi, j, kについての外積は、[b]i×i=j×j=k×k=0[br][/b][color=#0000ff][b]i×j=k, j×k=i, k×i=j これは右ねじを理解するのに役立つし、外積の公式の証明にも使えるね。[/b][br][/color]スカラー3重積(i,j,k)=i・(j×k)=i・i=1(立方体の体積)[br]ベクトル3重積i×(j×k)=i×i=[b]0[/b]=(i・k)j-(i・j)k=0[b]j[/b]-0[b]k[/b]=[b]0[/b]ベクトル[br][color=#0000ff](例)[/color][br]物理では、外積は[b]力のモーメント[/b]の計算に使えます。[br]基準点Oから力が作用する点Rまでの位置ベクトル[b]r[/b]と、点Rに加える力[b]f[/b]の外積[b]r×f[/b]=[b]|r||f|[/b]sinθが[br][b]力のモーメントN[/b]と等しい。[br]θはこの場合ORに対する力のベクトル[b]f[/b]のズレの角だ。基準点を通り回転軸となるベクトルをeとしよう。[br]このeの方向が右ねじの進む方向になるね。[br]外積のおかげで、[b]r[/b]と垂直な方向に[b]f[/b]を正射影することでモーメントが正しく求められる。[br]空間内では、てこORの方向に対して[b]f[/b]の方向は上下だけではなく無限にある。[br]だから回転軸の方向も無限だ。外積というベクトルを返す概念のおかげで向きまで正確に表現できるね。[br]そして、てこのつり合いは、モーメントベクトルの総和が0ベクトルになると定義できるね。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]物理では、外積は[b]運動量のモーメント(角運動量)[/b]の計算に使えます。[br]基準点Oに対する力fの代わりに運動量p=mvにした外積r×pは運動量のモーメント、角運動量という。[br]剛体の各点を質点の集合と考えると、角運動量の総和で、剛体の角運動量とすることもできる。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]物理では、外積は[b]角速度ベクトルからの速度[/b]計算にも使えます。[br]コマの回転軸が接地する方向ベクトルを[b]k[/b]、コマの角速度をθ'とすると、角速度ベクトル[b]ω[/b]=θ'[b]k[br][/b]コマの接地点がO、コマの上面の円周上の点をRとして、ベクトルORをrとしよう。[br]点Rの速度v=ω×r。速度の絶対値はωの絶対値θ'とrを上面に正射影した大きさの積で決まるから。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]2直線L1,L2の方向ベクトルをd,eとするとき、[br]L1と平行でL2を含む平面πの法線ベクトルはn=d×e。(法線は[b]外積[/b]で求められる)[br]L2が通る点をAPとすると、平面πの方程式はAP・n=0(法線との[b]内積[/b]が平面の方程式)[br]L1:[math]\frac{x+1}{-1}=\frac{y-3}{2}=\frac{z-1}{4}[/math]、L2: [math]\frac{x-2}{3}=\frac{y+1}{1}=\frac{z-2}{1}[/math]。[br] πはL2が通る点A(2,-1,2)を通る。[br] πの法線ベクトルhはL1とL2の方向ベクトルd=[-1,2,4],e=[3,1,1]と垂直だ。[br] d=[-1,2,4][br] e=[3,1,1][br] d✕e=[2・1 - 4・1, 4・3 - (-1)・1, (-1)・1 - 2・3]=[-2, 13, -7][br] -2(x-2)+13(y+1)-7(z-2)=0[br] だから、2x-13y +7z -31=0 。[br]
[b][size=150]<土台となる知識>[/size][/b][br]・微分は平均変化率⊿x/⊿tの極限で、瞬間変化率dx/dt 。[br]・1階微分は、関数fのグラフの接線の傾きの関数f’を求めることで、求めた関数が1階導関数。[br] パラメータが時間ならば、1階微分で速度を求められる。[br]・2階微分は、関数fのグラフの傾きの変化f’’を求めることで、求めた関数が2階導関数。[br] パラメータが時間ならば、2階微分で加速度を求められる。[br] 2階導関数f’’が正なら、fは下に凸のグラフ。f’’=0なら直線。f’’が負なら上に凸のグラフ。[br]・高階微分は、階数だけ'をならべたり[sup](n)[/sup]のように関数のあとにかく。[br]・微分記号dy/dtは分数として扱える。そこから、合成関数の微分公式dy/dt=dy/dx*dx/dtができる。[br]・多変数関数U(x,y)の偏微分ラウンドU/ラウンドx∂U/∂xは、yの関数を定数として微分したもの。[br] Uxともかく。xで2階偏微分したものはUxxと書ける。[br]・全微分dU=Ux dx + Uy dyとする。[b]∂/∂xを演算子rxとかくと、d=rxdx+rydy ともかける[/b]。[br]・2階微分d[sup]2[/sup]U=ddU=∂(Ux dx + Uy dy)/∂x dx +∂(Ux dx + Uy dy)/∂y dy[br] =Uxx dxdx + Uyx dydx+Uxydxdy+Uyydydy= (rx dx+rydy)(rx dx+rydy) U=(rxdx+rydy)[sup]2[/sup]U=d[sup]2[/sup]U[br]・高階偏微分、n階全微分は全微分演算子[b]d=rxdx+rydy[/b]を文字式として、[br] n乗した演算子をUに作用させればよい。展開した演算子の係数は2項定理に従う。[br][br][b][size=150]<ベクトルの微分>[/size][/b][br]・位置ベクトル[b]r[/b]が時間tの関数になっているとき、[b]r[/b](t)を[b]ベクトル値関数[/b]ともいう。[br]点ベクトルつまり、位置ベクトル[b]r[/b]が⊿tの時間で⊿[b]r[/b]だけ変化すれば、[br]平均変化率は⊿[b]r[/b]/⊿tになる。スカラー量と同じく、極限をd[b]r[/b]/dtとかくことにしよう。[br]もし位置ベクトル[b]r[/b]がxyz空間にあり、それぞれの基底ベクトルが[b]i,j,k[/b]ならば、[br]d[b]r[/b]/dt=dx/dt [b]i[/b]+dy/dt [b]j[/b] + dz/dt [b]k[br][/b]と成分ごとにばらしてかけることは明らかだね。[br]・ベクトルの微分を考えることで、平面内だけではなく、空間の中の曲線の接線や、[br] 空間内の運動の速度、加速度を[b]カンタンに表示[/b]できるね。[br][br]・積の微分はどうなるだろうか。[br] スカラーの微分では、aが定数f,gがxの関数なら (af)'=af', (f+g)'=f'+g' で線形。[br] (fg)'=f'g+fg'という積の微分公式が成り立つ。[br] ベクトルの微分では、aがスカラー定数,fがスカラー関数,G、Hがベクトル関数なら、[br] (aG)'=aG' 定数倍は外に出せるし、和も同様だ。[br] (fG)'=f' G+ f G' [br][b]内積も外積も「積の微分」公式はスカラー量と変わらない。[br](G・H)=G'・H+G・H'[br](G×H)=G’×H+G×H’[br][/b] 成分ごとの落とし込めば計算で証明できるでしょう。略。[br][br]・偏微分、全微分はどうなるか。[br] ベクトル量はxyz空間内のものなのk、xy平面のものなのかにかかわらず、[br] 2変数u,vに関するベクトル関数[b]U[/b](u,y)とする。[br] そうすると、u,v平面における[b]U[/b]関数という扱いができるね。[br] そうすれば、偏微分、Uu,Uv,Uuv,Uuu,Uvv.....もスカラーと同様に考えられる。[br] [b]UuvとUvuが連続ならば、Uuv=Uvu[/b]となる。[br] ということは、全微分d[b]U[/b]=[b]U[/b]udu+[b]U[/b]vdvを定義できるね。[br] 面白いのは、Uが空間にある量とするならば、dU=dUx [b]i[/b]+dUy [b]j[/b]+dUz [b]k[br][/b] と成分分解できるはずなので、dUx=(ru du+ rv dv) Ux と、全微分の入れ子ができるということだ。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]U(u,v)=(u[sup]2[/sup]+3uv+v[sup]2[/sup][b]i[/b] + 2uv[b] j[/b] + (u[sup]3[/sup]+2u[sup]2[/sup]v)[b]k[/b] のとき、Uuv=Uvuを確かめる。[br]Uu=(2u+3v)[b]i[/b] + 2v[b] j[/b] + (3u[sup]2[/sup]+4uv)[b]k[br][/b]Uuv=3[b]i[/b] + 2[b] j[/b] + 4u[b]k[br][/b]Uv=(2v+3u)[b]i[/b] + 2u[b] j[/b] + (2u[sup]2[/sup])[b]k[/b][br]Uvu=3[b]i[/b] + 2[b]j[/b] + 4u[b]k[/b][br]Uuv=Uvu[br]ついでに、この関数Uの働きを考えよう。[br]u,vがー4から4までの自由に動くと、uv平面の正方形の内部を動く。[br]これに対して、3次元空間の中の点として動くので曲面ができる。[br]つまり、Uによって、正方形を空間内の曲面に写像しているという見方もできるね。
[color=#0000ff](例)[/color][br]位置の微分で速度、加速度を求められることは、ベクトルでも同じ。[br]θ=θ(t) のとき、[b]r[/b]=acosθ i + a sinθ j +b θ k = rx i+ ry j +rz kとする。[br]drx/dt=drx/dθ dθ/dt = (a cos θ)' dθ/dt= -a sinθ ・θ' [br]dry/dt=dry/dθ dθ/dt = (a sin θ)' dθ/dt = a cosθ ・θ'[br]drz/dt =drz/dθ dθ/dt = (b θ)' = b・θ'[br]速度ベクトル[b]v[/b]=rx' i +ry' j +rz' k= ( -a sinθ ・θ' )i + (a cosθ ・θ')j + b・θ'k[br][color=#0000ff]c=sqrt(a[sup]2[/sup]+b[sup]2[/sup])[/color] とおくと、速度|v|=sqrt(rx'[sup]2[/sup]+ry'[sup]2[/sup]+rz'[sup]2[/sup])=c・θ' となる。[br][b]t[/b]= 1/c ( -a sinθ ,a cosθ , b) とおくと、[b]v[/b]=|v| [b]t[/b][br]n= (-cosθ, -sinθ,0)とおくと、[br]加速度[b]a[/b]=[b]v[/b]'= (|v| t) = |v|'t+|v|t'=(c・θ')' [b]t[/b] + c・θ' 1/c ( -a sinθ ,a cosθ , b)'[br]=c θ'' [b]t[/b]+θ' (-a cosθ・θ' ,-a sinθ ・θ', 0)[br]=c θ'' [b]t[/b]+a (θ')[sup]2[/sup] [b]n [/b]