素早く獲物に近づく連分数

このページは[url=https://www.geogebra.org/m/ddm5798j]マス旅[/url]の一部です。[br][br]無理数や円周率というと、近似が話題になりますね。[br]ラマヌジャンの連分数は猛スピードでターゲットに近づくことで有名です。[br]それをみていこう。
1.ラマヌジャン以前
ラマヌジャン以前[br][br]「[url=https://www.geogebra.org/m/ddm5798j#material/vkmzzhku]無理数に見えるのに整数になる?[/url]」でもやったように、[br][br]√2の近似は、連分数で求められますね。[br]1+1/(2+1/(2+1/(2+1/......)))=√2[br]texで書くと、[br] [math]1+\frac{1}{2+\frac{1}{2+\frac{1}{2+....}}}=[/math] √2[br]でした。[br]近似分数は連分数だけではなく、行列・微分とも関係が深いです。[br]連分数は打ち切ると普通の分数になるので、近似分数列ができます。[br]√2に限らず、近似分数は作れますね。たとえば、黄金比。[br]たとえば、黄金比を求める近似分数は、フィボナッチ数列と関係があることがわかってます。[br]ユークリッドの互除法をしたときに、商が1になり続ける2辺の長方形の辺の比が黄金比だからです。[br]連分数はユークリッドの互除法の割り算を分数に直しているだけだから、[br]1+1/(1+1/(1+1/(1+1/......)))=φ[br]texで書くと、[br][math]1+\frac{1}{1+\frac{1}{1+\frac{1}{1+\frac{1}{1+...}}}}[/math] = φ=(1+√5)/2[br]途中で打ち切ると1,2,3/2,5/3,8/5, 13/8, ................とフィボナッチ数列の比ができますね。[br][br][size=150][b]<無理数の行列近似>[/b][br][br][size=100]話しを√2の戻そう。[br]近似は分数ではなく行列でもできます。[br]無理数の近似は数論における伝統的な「ペルの方程式」と関係があります。[br][/size][size=100]くわしくはこちら。[/size][url=https://www.geogebra.org/m/twxxx3yq#material/aj585ahk]https://www.geogebra.org/m/twxxx3yq#material/aj585ahk[/url][br][/size]ぺルの方程式[b]x^2-2y^2=1[/b]の解はたくさんあるでしょうが、[br]整数解は(3,2),(1,0)がすぐみつかりますね。[br][br]移項して、x^2=2y^2+1。両辺をy2乗で割って、(x/y)^2=2+1/y^2。[br]yが大きくなるほど(x/y)^2≒2なので、x/yが√2の近似値になりますね。[br]そこで、(x1,y1)=(3,2)として、[br](x1+√2y1)^n=xn+√2ynとおけば、[br](x+√2x)(x-√2y)=1だから、(xn+√2xn)(xn-√2yn)=1が保たれるので、解を次々と製造できますね。[br]x_n+√2y_n=(x1+√2y1)(x_n-1+√2y_n-1)=(3+2√2)(x_n-1+√2y_n-1)[br]=(3x_n-1+4y_n-1)+√2(2x_n-1+3y_n-1)から、[br]製造マシンとなる行列P={{3,4},{2,3}}ができる。[br]列ベクトル(1,0)を初期値として、解[x,y]と比x/yをプログラミングして求めると次のようになります。[br][3, 2], [17, 12], [99, 70], [577, 408], [3363, 2378], [19601, 13860], [114243, 80782], [665857, 470832], [3880899, 2744210], [22619537, 15994428][br]1.5[br]1.4166666666666667[br]1.4142857142857144[br]1.4142156862745099[br]1.4142136248948696[br]1.4142135642135643[br]1.4142135624272734[br]1.4142135623746899[br]1.414213562373142[br]1.4142135623730965[br][br][b][size=150]<近似といえばニュートン法>[/size][/b][br][br]近似といえばニュートン法が有名です。[br]微分を使うのですが、微分を1回やれば、あとは漸化式ができあがるので、わりと扱いやすいです。[br]有名すぎる方法ですが、念のために確認しておこう。[br]√2の値を求めたいときに、y=f(x)=x^2-2のグラフとx軸との交点xが求める真の値となります。[br]仮にグラフ上の点A(x1,f(x1))でひいた接線のx軸との交点をB(x2,0)としましょう。[br]直線ABの傾きは、f'(x1)=Δy/Δx=(f(x1) - 0) /(x1-x2)となります。[br]x1-x2=f(x1)/f'(x1) だから、[size=150]x2=x1-f(x1)/f'(x1)[/size]となりますね。 [br]f'(x)=2xだから、x-f(x)/f'(x)=x-(x^2-2)/(2x)=x-(x/2-1/x)=x/2+1/xと簡単な式になりますね。[br]xn=aとすると[b]xn+1=a/2+1/aと漸化式[/b]ができすね。[br] x1=1とすると、x2=0.5+1/1=1.5[br] x3=1.5/2+1/1.5=1.4166[br] x4=1.4166/2+1/1.4166=1.4142[br] x5=1.4142/2+1/1.4142=1.414213562...[br][br]近似と言えばニュートン[br]ではなく、「[b]近似と言えばラマヌジャン[/b]」だったのです。[br]それをこれから見ていこう。
2.ラマヌジャンの連分数
ラマヌジャンは漸化式の発想ではなく、一斉に変えることが得意でしたね。[br]ラマヌジャンで有名な連分数の式は黄金比の連分数と似ています。[br]フィボナッチ数列の比の極限がφ=(1+√5)/2になるのでした。[br][br]さて、さっきの分数の逆数を考えるとどうなるでしょうか。[br]1,2,3/2,5/3,8/5, 13/8, ................の逆数数列は1/1,1/2,2/3,3/5,5/8, 8/13, ................となりますね。[br]φ=(1+√5)/2の逆数は1/φ=2/(1+√5)=2(√5-1)/(5-1)=(√5-1)/2=(√5+1)/2-1=φ-1です。[br][br]1/(1+1/(1+1/(1+1/......)))=1/φ=φ-1ですね。[br]texで書くと、[br][math]\frac{1}{1+\frac{1}{1+\frac{1}{1+\frac{1}{1+...}}}}[/math] =1/φ=φ-1[br]似ていますが、これを変化可能なものに改造します。分子部分をqの関数にするのです。[br]R(q)=q^(1/5)/(1+q/(1+q^2/(1+q^3/......)))とおきます。[br]ここで、q=1にすると、R(q)の近似分数は1/φ=φ-1に近づくはずですよね。[br]何と、ラマヌジャンはqに1を入れないでq = e^{-2π}≒0.001867を代入するのです。[br]ラマヌジャンはR(q)の近似分数の真値は√{(5+√5)/2}-φ=0.28407904384041229..[br]としました。[br]ある理屈をつけてラマヌジャンはターゲットをφそのものではなくしました。[br]でも、近似分数の精度は測れますよね。[br][br][color=#9900ff][b][u][size=150]課題:R(q)でq = e^{-2\π}を入れた近似分数を少し計算してみよう。[br][/size][/u][/b][/color][br]設定ボタンを1つのビューで選び、さらに全体の設定ボタンを選び、表示桁数を最大[br]小数点以下15桁にします。[br]qv=e^(-2pi)[br]q={qv^{1/5}, qv, qv^2, qv^3, qv^4}[br]goal=0.284079043840412(小数第15位のゴールを設定します。)[br]r(x,k)=x/(1+k)[br]R1=q(1) -goal[br]R2=r(q(1),q(2)) -goal[br]R3=r(q(1),r(q(2),q(3))) -goal[br]R4=r(q(1),r(q(2),r(q(3),q(4))))- goal[br][br]結果を見てください。R1,R2はまだ誤差があります。[br]でも、R2,R3では小数第15位まででは、[br]誤差ゼロです。[br]常識を超えた近似のスピードです。[br][br][b][size=150]<振り返り>[br][/size][/b]このゴール値自体が、ラマヌジャンが計算したものだから、狙いどうりの的中が起きるのも[br]当然かもしれませんが、あまりにも早すぎますね。[br][br]ラマヌジャンは自分の考えた構造化の結果として、5次方程式を作り、[br]その解がgoalだったようです。[br][br]普通の数学者は、すでにそこにある値(例えば√2 や π)」に向かって、[br]どうやって近似のハシゴを伸ばすかを考えます(単線的な思考)。[br]しかしラマヌジャンは違いました。[br]彼は、5次の対称性を持つ連分数R(q)という巨大な構造のネットワークそのものを先に脳内に生み出し、[br][b]「この構造が最も美しく調和し、かつ劇的な5次方程式を吐き出すパラメータ qは何か?」[/b][br]を逆算したのです。[br]その結果が、あのq = e^{-2pi} という、一見すると不気味で奇妙な値でした。[br][br]数値だけをみるのではなく、[br][br][b][color=#0000ff]数値のふるさとである正五角形に関係づけてゴールすら変更できるものにした上で、[br]きれいにゴールを決める[br][br][/color][/b]という美技です。[br][br]証明ありきではなく、[br][br]数値を単線的に追いかけるのではなく、[br][br][b]一斉に関係づけながら構造を数式化していく[/b][br]という[br][b]ラマヌジャンにしかできない数学アート[/b]でした。[br][br]今でも、世界中の超優秀な数学者たちは、神の子ラマヌジャンのかいたことの「証明」に[br]膨大な時間をかけているようです。[br][br]その結果として、新しい発見や新しい数学の理論が生まれたりという、恩恵があるようです。[br][b]フェルマーの大定理の証明[br][/b]だけではありません。[br][b]楕円関数、[br]モジュール形式、[br]ブラックホールのエントロピー計算、[br][/b]。。。。
ラマヌジャンの連分数近似

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