緊張感のもとは単純?

ディミニッシュ7は単純だ
[b]このワークシートは[url=https://www.geogebra.org/m/twxxx3yq]Math by Code[/url]の一部です。[br][br]アプレット、背景、実装の順に見ていきましょう。[br][/b]
1.背景
[size=150][size=100][color=#0000ff]1,3,5,7番目の音は[br]和音としても[br]ありふれた音の積み方、たし方ですね。[br]なにしろ、ドレミファソラシの音に音階にただ、奇数番目を押してできるからです。[br][br]そこで、偶数番目がスパイスになりそうです。2,4,6の音ですね。[br]ただ、7音を全部押しても音楽にはなりません。[br]そこで、単純なルールで「緊張感」のある和音を作ってみよう。[br][br]また、別の方法で、緊張感のある和音を作る方法を調べましょう。[br][/color][/size][b][br]<教会モードで度数の思い起こし>[/b][/size][br]C=1はイオニアン(メジャー)[b][color=#0000ff]全全半[/color]全 [/b]全全半[br]D=1はドリアン       [b][color=#0000ff]全半全[/color]全 [/b]全半全[br]E =1はフリジアン      [b][color=#0000ff]半全全[/color]全 [/b]半全全[br]F =1はリディアン      [b][color=#ff0000]全全全[/color]半 [/b]全全半[br]G=1はミクソ・リディアン  [b][color=#0000ff]全全半[/color]全 [/b]全半全[br]A=1はエオリアン(マイナー)[b][color=#0000ff]全半全[/color]全 [/b]半全全[br]B=1はロクリアン      [b][color=#9900ff]半全全半 [/color][/b]全全全[br]マイナーでもメジャーでも、[br][b]完全5度(全3半1)[/b]が大半なこと、[br][b]完全4度(全2半1)[/b]が大半なこと[br]この2つは変わりませんね。[br][br]3度は間の音程が2つありますが、半半はありませんでした。3度は全全か全1半1です。[br][b][color=#38761d]全全[/color][/b]というのは[b]長3度(メジャー[/b]3)、[b][color=#0000ff]全半か半全[/color][/b]が[b]短3度(マイナー[/b]3)です。[br][br]4和音にすることで、7度の音程に気づきました。半の音程は最高2つしかないので、[br]7度は全5[b]半1[/b]か全4[b]半2[/b]のどちらかです。[br][color=#38761d][b]半1[/b][/color]というのは[b]長7度(メジャー7[/b])、[b][color=#0000ff]半2[/color][/b]が[b]短7度(マイナー7[/b])ですが、[br][b][color=#0000ff]マイナー7が普通なのでマイナーをつけずにただの7度[/color][/b]といいます。[br][br]つまり、5度、4度は基本的に完全が主ですが、3度と7度はメジャーとマイナーがあったのでした。[br]3度のマイナーはコードをマイナーにするのですが、[br]7度のマイナーはマイナー7なのに、ただの7をつけます。[br]マイナーでない7、つまりメジャー7はスケール上の7番なのに、レアなので逆にmaj7とか△7とか[br]かきましたね。
[b][size=150]<偶数は7の上にある>[br][/size][/b]通常のコードでとばしてきた2,4,6は、響きの関係で飛ばすのが当然でしょう。[br]しかし、7の先にあるとして考えると、音のたし算ができるかもしれません。[br]2+7=9[br]4+7=11[br]6+7=13[br]つまり、7番コードの上に音をさらに重ねるのです。[br]すると、偶数に見えたものが、[br]7番を法とした剰余では偶数だったものが、[br]音階の主音から数えていくと、みな奇数番目ともいえるようになるのですね。[br][br]そうはいっても、音名でみると、一音違いの音を押させることになり、[br]とても緊張感があります。[br]7の上に積み重ねる和音を[b]テンションコード[/b]といいます。[br][br]まぎらわしいですが、1音だけたし算する場合は別の言い方があります。[br][color=#0000ff]・sus4[/color][br]11番ではなく4番として押すときはsus4とかsusとかいいます。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]Gsus4 > G7のコード進行[br][br][color=#0000ff]・6番[/color][br]13番ではなく6番として押すときは6番といいます。(例)C6。[br][b][size=150][br]<メジャースケール上の7和音>[br][/size][/b]白鍵の1番と3番と5番と7番の4和音の先に9番、11番、13番の3音を重ねた7和音を考えます。[br]              1 3 5 7[u]8 9 11 13 15[/u] [br]C=1はイオニアン(メジャー)[b][color=#38761d][u]全全半全全全[/u][/color][/b]半|[b][color=#38761d][u]全|全半|全全|全[/u][/color][/b]半 [br]D=1はドリアン       [b][color=#0000ff]全半[u]全全全[/u]半[/color][/b]全|[b][color=#0000ff]全|半全|全全|半[/color][/b]全[br]E =1はフリジアン      [color=#0000ff][b]半全全全半全[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]半|全全|全半|全[/b][/color]全[br]F =1はリディアン      [b][color=#38761d][u]全全全半全全[/u][/color][/b]半|[b][color=#38761d][u]全|全全|半全|全[/u][/color][/b]半[br]G=1はミクソ・リディアン  [color=#0000ff][b]全全半全全半[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]全|全半|全全|半[/b][/color]全[br]A=1はエオリアン      [color=#0000ff][b]全半全全半全[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]全|半全|全半|全[/b][/color]全[br]B=1はロクリアン      [color=#0000ff][b]半全全半全全[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]半|全全|半全|全[/b][/color]全[br][br]1つとばしで、白鍵の奇数番号、1,3,5,7,9,11, 13を同時に引いたのが7和音です。[br]9番-8番が全だと、9度、半だとー9.[br]11番-8番が全全半だと11、全全全は+11[br]13番ー8番が全全半全全で13, 半が2つで-13 [br]7和音を機械的にかくとどうなるでしょう。[br]C=1ではC3・7、 9, 11, 13。つまり、Cmaj7、9.11.13[br]D=1ではD-3・-7、9, 11, 13。つまり、Dm7、9.11.13[br]E=1ではE-3・-7、-9, 11, -13。つまり、Em7[b]-9.11-13[/b][br]F=1ではF3・7、 9,+11, 13。つまり、Fmaj7、9[b]+11[/b].13[br]G=1ではG3・-7, 9, 11, 13。つまり、G7、9.11.13[br]A=1ではA-3・-7,9, 11, -13。つまり、Am7、9.11[b]-13[/b][br]B=1ではB-3,-5,-7, -9, 11,-13。つまり、Bm7-5、-[b]9.11-13[/b][br][br][b][size=150]<メジャースケール上のテンションで避けたいもの>[br][/size][/b]4和音に対して、追加の3音がいつもたされるわけではありません。[br]テンションというより不安定、不協和な音程を避けることが必要です。[br]一般的には、次のように言われています。[br]・コードトーンの全全全差は避ける。[br] Dm7のー3とー13≡-6(mod7)は全全全の音程だから避ける。[br]・コードトーンと半音差は避ける。 [br]9番[br] Em7のー9番のFは8番≡1番のEと半音差だから避ける。[br] Bm7-5のー9番のCは8番≡1番のCと半音差だから避ける。[br]11番[br] Cmaj7の11番≡4番のFは3番のEと半音差だから避ける。[br] G7の11番≡4番のCは3番のBと半音差だから避ける。[br]13番[br] Em7のー13番≡ー6番のCは5番のBと半音差だから避ける。[br] Am7のー13番≡ー6番のFは5番のEと半音差だから避ける。[br][br]7和音で、避けたいものを除いた残りは、[br]C=1ではCmaj7、9.13=C+Bm7(5ぬき)[br]D=1ではDm7、 9.11=Dm+C[br]E=1ではEm7、  [b]11 =Em+D(3ぬき)[/b][br]F=1ではFmaj7、 9[b]+11[/b].13=F+Emmaj7[br]G=1ではG7、  9.13=G+Fmaj7(5ぬき)[br]A=1ではAm7、  9.11=Am+G[br]B=1ではBm7-5、[b]11-13=Bm-5+A7(3ぬき)[br][br][size=150]<一般化>[br][/size][/b][color=#0000ff]1番メジャースケール上のテンションコードは[br]1番maj7, 9.  13[br]2番m7、 9.11[br]3番m7、  [b]11[/b][br]4番maj7, 9[b]+11[/b].13[br]5番7、  9. 13[br]6番m7、 9. 11[br]7番m7-5、 [b]11-13[br][br][/b][/color][b][size=150]<演奏上の注意>[/size][/b][br]全部のせということは少ないので、[br]7音コードを意識して、3和音+7番をベースにしたスケール上の4和音をつける[br]7,9,11,13⇒ ー6⇒ 7番を1とした1,3,5,7[br]テンションを強調するときは、3和音部分の3,5度は省いたりすることが多い。
[b][size=150]<ナチュラルマイナースケール上の7和音>[br][/size][/b]白鍵の1番と3番と5番と7番、9,11,13番を同時に押してみます。[br]              1 3 5 7[u]8 9 11 13 15[/u] [br]A=1はエオリアン(メジャー)[color=#0000ff][b]全半全全半全[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]全|半全|全半|全[/b][/color]全[br]B=1はロクリアン      [color=#0000ff][b]半全全半全全[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]半|全全|半全|全[/b][/color]全[br]C=1はイオニアン(メジャー)[b][color=#38761d][u]全全半全全全[/u][/color][/b]半|[b][color=#38761d][u]全|全半|全全|全[/u][/color][/b]半 [br]D=1はドリアン       [b][color=#0000ff]全半全全全半[/color][/b]全|[b][color=#0000ff]全|半全|全全|半[/color][/b]全[br]E =1はフリジアン      [color=#0000ff][b]半全全全半全[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]半|全全|全半|全[/b][/color]全[br]F =1はリディアン      [b][color=#38761d][u]全全全半全全[/u][/color][/b]半|[b][color=#38761d][u]全|全全|半全|全[/u][/color][/b]半[br]G=1はミクソ・リディアン  [color=#0000ff][b]全全半全全半[/b][/color]全|[color=#0000ff][b]全|全半|全全|半[/b][/color]全[br][br]1つとばしで、白鍵の奇数番号、1,3,5,7,9,11, 13を同時に引いたのが7和音です。[br]7和音で、避けたいものを除いた残りは、[br]A=1ではAm7、  9.11[br]B=1ではBm7-5、[b]11-13[/b][br]C=1ではCmaj7、9.13[br]D=1ではDm7、 9.11[br]E=1ではEm7、  [b]11[/b][br]F=1ではFmaj7、 9[b]+11[/b].13[br]G=1ではG7、  9.13[br][br][b][size=150]<一般化>[br][/size][/b][color=#0000ff]1番ナチュラルマイナースケール上のテンションコードは[br]1番m7、  9. 11[br]2番m7-5、  [b]11 -13[/b][br]3番maj7、9.  13[br]4番m7、 9. 11[br]5番m7、   [b]11[/b][br]6番maj7、9[b]+11[/b].13[br]7番7、  9.  13[/color]
[b][size=150]<ディミニッシュ>[/size][/b][br][br]ディミニッシュコードは名前も、説明も複雑に感じる人がいるかもしれません。[br]図形としてみると単純です。[br]たとえば、[br]Cメジャースケールでの7番目の4和音はBm7-5でした。[br]Bから白鍵だけを4つ押してB、D、F、Aです。 [br]Bからみると1、-3、-5、-7というマイナスだらけです。[br]B=1はロクリアン      |[color=#0000ff][b]半全|全半|全全|[/b][/color]全|[br][br]さて、ここで音程は12で1周したことを思い出してください。[br]そして、[b][color=#0000ff]7度はメジャー7(全5半1)マイナー7(全4半2)[/color][/b]の2種類が[br]スケールコードで生まれる7度でした。もう一声半音を増やした[b][color=#0000ff]減7度(全3半3)[/color][/b]を作るのです。[br]Bからみると1、-3、-5、ー-7というマイナスだらけです。[br]B=1でディミニシュ  |[color=#0000ff][b]半全|全半|全半|半[/b][/color]全|[br]Bから順にB、D、F、G#の4つを押します。[br]さあ、これで、きれいに12個の半音階クロマチックスケールが4等分されました。[br]綺麗ですね。これをBdim7といいます。[br]BからみてG#が[b]減7度(diminished 7th)[/b]だからです。[br][br]音程の均等性に目をつけると、[br]Bdim7=Ddim7=Fdim7=G#dim7になることがわかりますね。すべて半音あげると[br]Cdim7=D#dim7=F#dim7=Adim7です。さらに半音あげると[br]C#dim7=Edim7=Gdim7=A#dim7となります。今までのスケールの世界は、同型の和音はキーごとに12個できました。[br]ディミニッシュコードはキーを変えても、本質的に3個しかないことがわかりますね。[br][br]この事実を表したものが、最初のアプレットです。
2.実装
[color=#9900ff][u][b][size=150]質問:ディミニッシュコードが視覚化できるアプレットはどうやって作りますか?[br][/size][/b][/u][/color][br]12種類の音名があるので、12角形の点にします。[br][b]たとえば、e^(i 2π/k) k=1...12として、12個の複素数z1からz12を設定[/b]しましょう。[br]12音名のリストNameS={"B", "C",......., "A#"}にたいして、[br]NameS(1), NameS(2),....,NameS(12)を1つ1つのテキストオブジェクトとして、[br][b]txt1, txt2,.....txt12[/b]と名前をつけなおします。[br]そうして、それぞれのテキストオブジェクト[b]txt kの「設定」の「位置」のリストから対応するzk[/b][br]を選ぶべば、12個の頂点に、音名を表示できるようになるでしょう。[br][br]1つ1つの複素数の他に、複素数のリスト[b]pt=sequence(e^(i 2π/k), k, 1, 12)を設定[/b]しておけば、[br]pt(x)のxを適当に選ぶことで、スケールに関係のある点を強調できます。[br](そして、選ばれた番号の頂点kに対して、mod(k-1,12)+1をすることで、12のときに12にする[br]変則mod12を作ることで、kの変化に対して、1,2、…、12、1,2、…。12と返します。)[br][br]選ばれたスケールの番号[b]M=[u][color=#0000ff]{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}です。これがメジャーとの違いです。[/color][br][/u][/b][br]キーをn=2としたばあい、[b]M+n-1[/b]={2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13}と、リストをシフトして、[b]MN[/b]という名前をつけます。そして、[b]Sequence(Mod(MN(k)-1, 12)+1,k,1,[color=#ff0000]12[/color])[/b]として複素数の番号を12個に納めます。[br]たいていのスケールは7音ですが、[b][color=#0000ff]クロマチックは12音なので、数列の範囲を7から12に変える必要[/color][/b]があるので注意しましょう。[br][br]ここで、zip(pt(k),k,MN2)とするとMN2番目の頂点、つまりキーが2の[b]スケール音名を強調[/b]できますね。[br][br]最後に和音がサイクリックな音名の関係、つまり円環構造なので、[br][b]スケール上の4和音の点を多角形の頂点[/b]として選びだしましょう。[br]4和音[b]Cp4={MN2(i),MN2(i+3),MN2(i+6),MN2(i+9)}と番号リスト[/b]を作ります。[br]すると、12等分の点から[b]polygon(pt(Cp4(1)),pt(Cp4(2)),pt(Cp4(3)),pt(Cp4(4))[/b]とするだけで四角形が指定できます。[br]くわしくは、かくれた「数式」を広げて、グラフィックビューを一時的にせまくして、観察しましょう。

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