1.式のかけ算

1.次数と係数
[size=100][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][b][br][br]いきなり問題ですが、「負の数(フノスウ)のメリット」は何でしょうか?[br][br]いろいろあるでしょうが、見かけ上の「引き算をこの世から消せること」です。[br][br][/b][/size]1−3は「イチ[color=#0000ff][b]ひくサン[/b][/color]」ではなく、「イチ[color=#0000ff][b]マイナスサン[/b][/color]」と読むのです。[br]つまり、「1」と「ー3」を[color=#0000ff][b]くっつけた式(シキ)[/b][/color]、つまり、[color=#0000ff][b]和の式[/b][/color]と見ることができるのですね。[br]1と3ではなく、「1」と「−3」という[b]数(スウ)[/b]がつながって書かれた式です。[br]この[color=#0000ff]マイナスもOKという数[/color]を[color=#0000ff][b]項(コウ)[/b][/color]とすると、2項式とも言えます。[br]1項式の別名が単項式、何項だろうが項があるものを多項式と呼ぶのです。[br][size=100][size=150][b]これを文字式の世界にひろげてみよう。[br][br]<多項式>[/b][/size][/size][br]数や文字の積だけでできたかたまりも[color=#0000ff][b][項](term , item)[/b][/color]と呼びます。[br]文字にかけられた数の部分を[color=#0000ff][b]係数(ケイスウ)[coefficient][/b][/color]という。[br][b]項には、表記上の細かなルール[/b]、習慣(?)があるので、できるだけ従った方が[b]誤解[/b]が減るでしょう。[br]・数>文字の順で、文字はギリシャ文字が先でアルファベット順。[br]・数は小数よりも分数で、分数は帯分数でなく仮分数で、マイナス記号は数の先頭へ。[br]・かけ算(×)記号は省き、わり算(÷A)は×1/Aとして分数の分母にする。[br]・文字の積は同文字ならば指数を使って省略する。[br]・1×文字や、−1×文字は1×をかかないがマイナスはかく。必要なときだけ、1を復活してかく。[br]・数の積は計算できるところは計算する。2×3=6にする。[br]・和と積が混同しやすいとか、積のもとの数をあえて伝えたいときは2・3など、ドットで積を表す。[br][color=#0000ff](例)[/color][math]3a[/math][color=#0000ff], [/color][math]6xyz[/math][color=#0000ff], [/color][math]5x^2[/math][br]項が1つ以上和でつながった表現・式を[color=#0000ff][b][多項式(タコウシキ)](polynomial)[/b][/color]という。[br]・項の符号は先頭項だけは+を省略しよう。それ以外の項は+でもマイナスでも省略しない。[br] 省略してしまうと、和か積かがわからなくなるから。[br]・[b][color=#0000ff][size=150]多項式の各項は、和でつながるので、[br] 交換・結合法則を使って、自由に位置や演算の順番を変えることができる。[/size][/color][/b][br]・特に、項が1つだけの式を単項式ということがある。[br]多項式を整式と言うことはあるけど、混乱しやすい。[br][color=#9900ff][b]整式[ integral expression、well-formed formula ][/b][/color]というのは、「式を集合として高い視点で見たらまるで[color=#0000ff][b]整数[Integer][/b][/color]の集合のように見える」という言葉遣いからきてる。[br]別に、[color=#ff0000][b]係数を整数にするというわけではないですよ![/b][/color][br]係数は小数、分数、√2ですらよい。[b]数と文字の積の和(セキノワ)[/b]が多項式。[br]単項式の数は負の数でもよいので、単項式の和と言っても、ひき算でももちろんよい。[br][color=#0000ff][b][size=150]大切なことは多項式を積の和としてとらえること![br][/size][/b](例)[math]5y[/math][/color], [math]2x-3[/math],[math]5x^2+2x-6[/math], [math]\sqrt{2}x^2-0.2x+\frac{1}{5}[/math][b][size=150][br]<項の次数と係数>[/size][/b][br]着目する文字の積の回数を[[color=#0000ff]項の[b]次数(ジスウ)[/b]][/color]という。[br]多項式の項の最高の次数を[[color=#0000ff]多項式の[b][size=150]次数[/size][/b]](polynomial [/color][b][size=150]degree)[/size][/b]という。[br]次数がNの式を、[[color=#0000ff]N次式[/color]]という。[br]項の着目する文字以外の積の部分を[color=#0000ff][b][係数](coefficient)[/b][/color]という。[br][color=#0000ff](例)[/color][math]6xyz[/math]は、[math]x,y,z[/math]についての次数は3で係数は[math]6[/math]、[br]   [math]x[/math]について次数は1で係数は[math]6yz[/math]。[br]   [b][size=150][u]同じ式でも、着目する文字で次数と係数が変わる![br][/u][/size][size=150]   この自由さが解法の手がかりにつながることもある。[br][/size][/b][color=#0000ff](例)[/color][math]5x^3y^2[/math]は、[math]x,y[/math]については5次で係数は[math]5[/math]、[br]  [math]x[/math]について3次で係数は[math]5y^2[/math][br][br]着目する文字について次数が等しい項を[color=#0000ff][b][同類項(どうるいこう)](similar term,like term)[/b][/color]という。[br][color=#0000ff](例)[/color][math]4x^2[/math]と[math]-3x^2[/math]は同類項。[math]4x^2y[/math]と[math]-3x^2z[/math]は[math]x[/math]について同類項。[br]
2.式の単純化
[br][size=150][b]<多項式を整理する手順>[br][/b][/size]項を[u][color=#0000ff][b]着目する文字について係数を前にかき[/b][/color][/u]、[br]次数の[color=#0000ff]高い順[b](降(コウ)べきの順)[/b][/color]か低い順(昇(ショウ)べき)に並べる。[br]同類項は[color=#0000ff][b]分配法則を使って[/b][/color]、[color=#0000ff]係数をまとめて[/color][b][color=#0000ff][size=150]単純化・簡約化(Simplify)しよう。[/size][/color][/b][br][color=#0000ff](例)[br][/color]「多項式[math]x^2y+4xy-6-2xy^2[/math]を、指定した文字について整理しよう。」[br]x,yについて [math]x^2y+4xy-6-2xy^2=x^2y-2xy^2+4xy-6[/math][br]xについて [math]x^2y+4xy-6-2xy^2=yx^2-2y^2x+4yx-6=yx^2+\left(-2y^2+4y\right)x-6[/math][br][br][size=150][b]<整式と整式でないもの>[/b][/size][br]整式は多項式と同義。[br]整式は項(数と文字の積)の和できているもの。[br]整式÷整式は[color=#0000ff]分数式[/color]という[color=#0000ff]整式ではない。[/color][br][color=#0000ff](例)[/color][math]\frac{1}{x}[/math],[math]\frac{x^2-y^2}{x+y+z}[/math][br]加減乗以外の演算や非代数関数(sin,logなど)を使ったものは[color=#0000ff]整式ではない[/color]。[br][color=#0000ff](例)[/color][math]x+\frac{1}{x}[/math],[math]sin\left(x\right)+cos^2\left(x+\frac{\pi}{2}\right)[/math], [math]e^x[/math], [math]log_2x+log_2x^3[/math][size=150][b][br][br]<整式の加法・減法>[/b][br][/size]整式A,Bの加法はA+Bで、減法はAーB=A+(-B)である。[br]整式の加減によってできた[color=#0000ff]多項式を整理[/color]する。[br]整式というだけあって、整式の和は整数の和と同じ発想になる。[br]たとえば、十進数の和は32+15=47というのはどういう計算をしているのか?[br]十の位の3と1をたして4,一の位の2と5をたして7という計算をしてるはずだね。[br]これって、整式でも同じなんだ。[br]3x+2+1x+5=4x+7。[br]xの位の数(係数)の和が4,1の位の数(定数項)の和が7という計算をすればよい。[br][color=#0000ff][b]つまり文字部分が同じならば、同じ位とみるというのが、同類項という言葉遣い[/b][/color]なんだ。[br]そして、十進整数で位の数はすべて+だったけど、負の数もゆるせば整式の和・差が同じ理屈でできるはずだね。
★整式の単純化をしてみよう!
★整式を加減して単純化しよう!
3.指数法則と式の展開
[size=150][size=100]式と式をかけるときにはm次式×n次式が出てきます。[br]また、m次式の2乗や3乗などの計算をすることもありますね。これから式の展開をしたり[br]するときには、次の2つの指数法則をすぐに区別できることは必要になります。[br][/size][b]<指数の和の法則>[br][/b][/size]xをm回かけた項とn回かけた項をかけるとm+n回かけた項ができる。[br]言い換えると、[color=#0000ff][b][size=150]m次式×n次式=(m+n)次式[/size][/b][/color][br][math]x^mx^n=x^{^{^{m+n}}}[/math][br][color=#0000ff](例)[/color]項の積は、係数は係数の[b]積[/b]に、文字の次数は次数の[b]和[/b]になる。[br][math]-2a^2\cdot5ab^2=\left(-2\cdot5\right)a^{2+1}b^2=-10a^3b^2[/math][br][size=150][size=150][b]<指数の積の法則>[br][/b][/size][size=100]xをm回かけた項をn回かけると、m・n回かけた項ができる。[br]言い換えると、[/size][/size][color=#0000ff][b][size=150](m次式)のn乗=(m×n)次式[/size][/b][/color][size=150][size=100][br][math]\left(x^m\right)^n=x^{m\cdot n}[/math][br][/size][color=#0000ff][size=100](例)[math]\left(a^2\right)^4\cdot a^3\cdot\left(a^3\right)^3=a^{2\cdot4}a^3a^9=a^{8+3+9}=a^{20}[/math][br][/size][/color][b][br]<整式のかけ算>[/b][/size][br][color=#0000ff][b]m項式とn項式の積は、m・n項式となる。[br][/b][/color](場合の数の[b]積の法則[/b]より)[br]多項式×多項式=多項式によって、左辺の式を[b][[color=#0000ff]展開](expand)[/color][/b]したとされる。[br][color=#0000ff](例)[/color]2項式×3項式=6項式になることは、[br] 分配法則を2段階使えばわかる。[br]   (A+B)(D+E+F)=A(D+E+F)+B(D+E+F)[br]           =AD+AE+AF+BD+BE+BF[br][size=150][b]<式の展開と係数分離法>[/b][/size][br]整式の積は整数の積と同様に実行できます。[br][b][color=#0000ff]整式の項の係数をN進数の各位の数とみて筆算します。[br][/color][/b]それを[color=#0000ff][b][u]係数分離法[/u][/b][/color]といいます。[br]やり方[br]1.式を降べきの順に整理する。[color=#0000ff]係数だけ取り出す[/color]。(1,2行目)[br]2.同じ次数の係数が、[color=#0000ff]位どりのように同じ次数がたてにそろうように[/color]実行する。[br]3.[color=#0000ff]同じ次数の係数をたし算することで、同類項をまとめる[/color]。[br](ただし、N進数のかけ算のようなくり上がりはない。)[br] [br][size=150][size=100][color=#0000ff](例)[math]\left(2x+3\right)\left(x^2+5x+1\right)=[/math][br]   2 3[br][u]☓ 1 5 1[/u][br]2 3[br] 10 15[br][u] 2 3[/u][br]2 13 17 3 [/color][/size][/size] [math]2x^3+13x^2+17x+3[/math] [br] [br][color=#0000ff](例)[/color][math](x-1)(x^9+x^8+x^7+x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1)=x^{10}-1[/math] [br] 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1[br] [u] 1 -1[/u] [br] -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1[br][u] 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 [br][/u] 1 -1[br] [color=#0000ff](一般化)[br] [/color]このイメージがわかれば、逆に[br] [math]x^n-1=(x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+........+x+1)[/math][br] となることも予想できるね。
★和の法則
★積の法則
★式を展開して単純化しよう!
★整式は整数に似ている!
4.乗法公式
[size=150][b]<基本の乗法公式>[br][/b][/size][color=#0000ff][b][i][size=150]・(a+b)(a+b)=(a+b)a+(a+b)b=aa+ba+ab+bb=a[sup]2[/sup]+2ab+b[sup]2[/sup][br][/size][/i][/b][/color] [math]\left(a+b\right)^2=\left(a+b\right)\left(a+b\right)=a^2+2ab+b^2[/math][br][color=#0000ff][b][size=150] 2項和の2乗は、前項2乗と2倍の前後の積+後項2乗。[br](a-b)²は、bに-bを入ると2乗部分は符号は変わらない。[br] (a-b)2=a[sup]2[/sup]-2ab+b[sup]2[/sup][br][/size][size=150][i]・(a+b)(a-b)=(a+b)a+(a+b)(-b)=aa+ba-ab-bb=a[sup]2[/sup]-b[sup]2[/sup][br][/i][/size][/b][/color][math]\left(a+b\right)\left(a-b\right)=a^2-b^2[/math][br][color=#0000ff][b][size=150] 和差の積は2乗の差[br][/size][size=150][i]・(x+a)(x+b)=(x+a)x+(x+a)b=xx+ax+bx+bb=x[sup]2[/sup]+(a+b)x+ab[br][/i][/size][/b][/color][math]\left(x+a\right)\left(x+b\right)=x^2+\left(a+b\right)x+ab[/math][br][size=150][b][color=#0000ff] xの係数は、2次→1次→定数の順に1→和→積[br][/color][/b][table][tr][/tr][/table][/size][color=#0000ff][b][size=150]・(ax+b)(cx+d)=(ax+b)cx+(ax+b)d=axcx+bcx+axd+bd=acx2+(ad+bc)x+bd[br][/size][/b] [math]\left(ax+b\right)\left(cx+d\right)=acx^2+\left(ad+bc\right)x+bd[/math][/color][color=#0000ff][br][b][size=150] xの係数は、降べきの順に1次積ac→たすきがけ⇒定数積bd[br][/size][/b][br][/color][b][size=150]<式の展開への公式利用>[br]★文字種がまざるときは最低次の1文字について整理する。[br]★共通部分をみつけてくくるか、置き換えをして単純化する。[br]★和差積=2乗差(A+B)(A-B)=A[sup]2[/sup]-B[sup]2[/sup][br][/size][/b][color=#0000ff]・1次の係数の和[/color]がsなら、a+b=s, とすると[math]\left(x+a\right)\left(x+b\right)=x^2+sx+ab[/math]となることが使えるね。[br][color=#0000ff](例)[/color][br](x+a)(x+s-a)(x+b)(x+s-b)=[math]\left(x^2+sx+a\left(s-a\right)\right)\left(x^2+sx+b\left(s-b\right)\right)[/math],[br] さらにX=とおき1次式の積で計算可能。[br]・多項式の共通部分をX、Yとしたとき、[color=#0000ff]和差積は2乗差[/color][math]\left(X+Y\right)\left(X-Y\right)=X^2-Y^2[/math]が使えるね。[br][color=#0000ff](例)[/color][br](x+a+b)(x-a-b)=(x+M)(x-M)。a+b=Mとおけば、-a-b=-(a+b)=-Mとなるから。[br](x+a-b)(x-a+b)=(x+N)(x-N)。a-b=Nとおけば、-a+b=-(a-b)=-Nとなるから。[br](x+a-b)(x-a-b)=(x-b+a)(x-b-a)=(X+a)(X-a)。-bを移項して、x-b=Xとおけばよい。[br][color=#0000ff]・和の2乗と差の2乗の和差。差は2倍の積がのこり、和は2乗部分が残る。[/color][br][color=#0000ff](例)[/color][br]2乗部分は差によって消えるから、[math]\left(a+b\right)^2-\left(a-b\right)^2=2ab-\left(-2ab\right)=4ab[/math][br]2ab部分は和によって消えるから、[math]\left(a+b\right)^2+\left(a-b\right)^2=2\left(a^2+b^2\right)[/math][br][size=150][size=150][color=#0000ff][size=100]・3項式の積でも、分配法則や場合の数の積の法則が使える。3項×3項=9項式[br][/size][/color][size=100][color=#0000ff](例)[/color][/size][/size][b][color=#0000ff](a+b+c)(a+b+c)=(a+b+c)a+(a+b+c)b+(a+b+c)c[br][/color][/b][size=150][b]=aa+ab+ca +ab+bb+bc +ac+bc+cc=aa+bb+cc+(ab+bc+ca)*2[br][/b][/size][/size][size=150][size=150][b][color=#0000ff]=a[sup]2[/sup]+b[sup]2[/sup]+c[sup]2[/sup]+2ab+2bc+2ca[br][/color][/b][/size][size=100][math]\left(a+b+c\right)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca[/math][br][/size][/size]
★式の展開ゲーム
★整数と整式の類似性を感じよう
★整数と整式の類似性を感じよう。
5.演習
[b][size=150]<式展開ゲーム>[/size][/b][br]工夫しなくても展開はできるが、工夫してミス減少と時間短縮をめざすゲームをしよう。[br]式全体を見渡して、共通点と違いに着目してから、方針を立てる。それから計算を実行するといいね。[br][size=150][color=#0000ff][size=100]★文字種がまざるときは最低次の1文字について整理する。[br]★共通部分をみつけてくくるか、置き換えをして単純化する。[br]★和差積=2乗差(A+B)(A-B)=A[sup]2[/sup]-B[sup]2[/sup][br][/size][/color][/size][color=#0000ff](例)[/color][br]「(a-b+c+d)(a+b+c-d)の展開」[br] ((a+c)-(b-d))((a+c)+(b-d))=(a+c)[sup]2[/sup]-(b-d)[sup]2 [/sup] あとは2乗の展開をするだけ。[br][color=#0000ff](例)[br][/color]「(x[sup]2[/sup]+xy+y[sup]2[/sup])(x[sup]2[/sup]-xy+y[sup]2[/sup])(x[sup]4[/sup]-x[sup]2[/sup]y[sup]2[/sup]+y[sup]4[/sup])の展開」[br] ((x[sup]2[/sup]+y[sup]2[/sup])[sup]2[/sup]-(xy)[sup]2[/sup])(x[sup]4[/sup]-x[sup]2[/sup]y[sup]2[/sup]+y[sup]4[/sup])[br] =(x[sup]4[/sup]+x[sup]2[/sup]y[sup]2[/sup]+y[sup]4[/sup][size=150])[/size](x[sup]4[/sup]-x[sup]2[/sup]y[sup]2[/sup]+y[sup]4[/sup])[size=100]=(x[sup]4[/sup]+y[sup]4[/sup])[sup]2[/sup]-(x[sup]2[/sup]y[sup]2[/sup])[sup]2[/sup]=x[sup]8[/sup]+x[sup]4[/sup]y[sup]4[/sup]+y[sup]8[/sup][/size][b][size=150][br]<3乗の乗法>[br][/size][/b][size=100][size=150](A-B)(A[sup]2[/sup]+AB+B[sup]2[/sup])=A[sup]3[/sup]-B[sup]3 [/sup][/size]カッコの両端以外は相殺して消える。[br][size=150](A+B)(A[sup]2[/sup]-AB+B[sup]2[/sup])=A[sup]3[/sup]+B[sup]3 [/sup][/size] Bに-Bを代入すると、2乗部分だけ符号は変わらない。[br][table][tr][td][size=150][/size][/td][/tr][/table][math]・(a+b)^3=a^3+b^3+3ab(a+b)=a^3+b^3+3a^2b+3ab^2[/math][table][tr][td][size=150][/size][/td][/tr][/table][math]・(a-b)^3=a^3-b^3-3ab(a-b)=a^3-b^3-3a^2b+3ab^2[/math][/size][color=#0000ff] bに-bを代入しても、2乗部分だけ符号が変わらない。[/color][br](x+1)[sup]3[/sup]=(x+1)(x+1)(x+1)=(x[sup]2[/sup]+2x+1)(x+1)=(x[sup]3[/sup]+(2+1)x[sup]2[/sup]+(2+1)x+1)=x[sup]3[/sup]+3x[sup]2[/sup]+3x+1[br]これは、係数分離法だと11×11×11=121×11=1331の計算をするのと同じだね。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]「(2x-3y)[sup]3[/sup]の展開」[br]a=2x,b=-3yと考えると(a+b)3の展開と同じ。[br] (2x)[sup]3[/sup]+3(2x)[sup]2[/sup](-3y)+3(2x)(-3y)[sup]2[/sup]+(-3y)[sup]3[/sup]=8x[sup]3[/sup]-36x[sup]2[/sup]y+54xy[sup]2[/sup]-27y[sup]3[br][/sup][color=#0000ff](例)[/color][br]「(3a-2b)(9a[sup]2[/sup]+6ab+4b[sup]2[/sup]) の展開」[br] A=3a, B=2bとA[sup]3[/sup]-B[sup]3[/sup]=27a[sup]3[/sup]-8b[sup]3[/sup]

3.無理数

1.数直線と実数
[b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][br]<実数>[/size][/size][/b][br]数直線上の点と数が1対1に対応する。1本の数直線に対応する数を実数という。[br]実数は0か正か負か3つの種類に分けられる。[br]2つの実数a,bには、[math]a=b,ab[/math]の3つの場合のどれかの大小関係が成り立つ。[br][color=#0000ff]互いに素な2整数を使った分数[/color][u]で表せる数[/u]を[[color=#0000ff][b]有理数(比の数の意味でRational Number)][/b][/color]という。[br]有理数以外の実数を[b][[color=#0000ff]無理数(irrational number)][/color][/b]という。[br][color=#ff0000][b]・有理数は見た目が分数という意味ではない。[u]見た目[/u]ではなくて、分数で[u]表せる[/u]もの。[br] それに対して、小数、分数は見た目の言葉だ。0.5は小数で、2分の1は分数。同じ有理数なのにね。[br][/b][/color]有限小数0.2=[math]\frac{1}{5}[/math]も、整数5=[math]\frac{5}{1}[/math]も有理数である。[br]0は通常は分数形にはかかないが[color=#ff0000]0も有理数[/color]と言える。[math]0=\frac{0}{N}[/math][br][color=#0000ff](例)有理数[math]-2,\frac{2}{3},3.14[/math],0, [math]\sqrt{4}、\sqrt{0.01}[/math](√をはずせば有限小数、整数、分数)になる)[br](例)無理数[/color][math]\sqrt{2},\sqrt{3},\sqrt[3]{5},\pi,5\sqrt{2}[/math][br][br][size=150][b]<計算法則>[br][/b][/size]実数には[color=#0000ff]結合、交換、分配[/color]法則が成り立つ。つまり、自由に計算ができる。[br][color=#0000ff](例)[math]\sqrt{2}\cdot\left(2+\sqrt{2}\right)=2\sqrt{2}+\left(\sqrt{2}\right)^2=2\sqrt{2}+2[/math][br][math]\sqrt{2}-\sqrt{3}=-\sqrt{3}+\sqrt{2}[/math][br][math]3\sqrt{2}\cdot\sqrt{2}=3\cdot\left(\sqrt{2}\right)^2=3\cdot2=6[/math][br][/color][br][b][size=150]<絶対値>[/size][/b][br]数直線上で、実数xの0からの距離を絶対値という。|x|とかく。[br]|x|=x([math]x\ge0[/math]のとき)、-x([math]x<0[/math]のとき)
★絶対値のグラフに親しもう!
2.平方根
[size=150][b]<平方根の大小>[br][/b][/size][color=#0000ff]正の数aの平方根は、2乗してaになる数[/color]で、正と負の2つある。[math]+\sqrt{a},-\sqrt{a}[/math][br]正負不明数aがあるとき、a[sup]2[/sup]の正の平方根は、[math]\sqrt{a^2}=\left|a\right|[/math]であり、aではない。[br]数直線上の2数は2乗しても同じ大小の順になる。[br]だから、2乗した5数が1<2<3<4<5なら、[math]1<\sqrt{2}<\sqrt{3}<\sqrt{4}=2<\sqrt{5}[/math]が成り立つ。[br][color=#0000ff](例)[/color]面積aの正方形の1辺の長さは[math]\sqrt{a}[/math][br][br][b][size=150]<平方根の計算>[/size][br][/b][math]\sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab}[/math][br](証明)[math]A=\sqrt{a},B=\sqrt{b}[/math]とすると、A[sup]2[/sup]=a,B[sup]2[/sup]=bだから、[br]指数法則により、ab=A[sup]2[/sup]B[sup]2[/sup]=(AB)[sup]2[/sup]となる。[br]だから、[math]AB=\sqrt{ab}[/math]となる。一方で、[math]AB=\sqrt{a}\sqrt{b}[/math]となるから。[br][size=150][size=100][color=#0000ff](例)[/color][/size][math]\sqrt{6}=\sqrt{2}\sqrt{3}[/math][b][br]<平方根の外し方>[/b][/size][br]平方根の定義から[math]\sqrt{a}[/math]は2乗してaになる数だった。[br][math]\sqrt{a}\sqrt{a}=\left(\sqrt{a}\right)^2=a[/math][br][math]\sqrt{a}\sqrt{a}=\sqrt{a\cdot a}=\sqrt{a^2}=a[/math][br][math]\sqrt{a^2b}=a\sqrt{b}[/math][br][color=#0000ff]つまり、ルートの2乗も、2乗のルートも外せるということ。[br](例)[/color][math]\sqrt{36}=\sqrt{6^2}=6[/math][br][math]\sqrt{28}=\sqrt{2^27}=2\sqrt{7}[/math][br][br][b]<分母の有理化>[br][/b][color=#0000ff]和差積が2乗差[/color]であることを利用するなどして分母の無理数を有理数に変えられる。[br][color=#0000ff](例)[br]・[math]\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}\left(\sqrt{3}+\sqrt{2}\right)}{\left(\sqrt{3}-\sqrt{2}\right)\left(\sqrt{3}+\sqrt{2}\right)}=\sqrt{2}\left(\sqrt{3}+\sqrt{2}\right)=\sqrt{2\cdot3}+\sqrt{2\cdot2}=\sqrt{6}+2[/math][br]・[math]\frac{1}{\text{1}\text{+}\sqrt{3}-\sqrt{2}}=\frac{1-\sqrt{2}-\sqrt{3}}{\left(1-\sqrt{2}+\sqrt{3}\right)\left(1-\sqrt{2}-\sqrt{3}\right)}=\frac{1-\sqrt{2}-\sqrt{3}}{\left(1-\sqrt{2}\right)^2-\left(\sqrt{3}\right)^2}=\frac{1-\sqrt{2}-\sqrt{3}}{-2\sqrt{2}}[/math][br][/color] =[math]\frac{\left(1-\sqrt{2}-\sqrt{3}\right)\sqrt{2}}{-2\sqrt{2}\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}-2-\sqrt{6}}{-4}=\frac{2+\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}[/math][br][b][size=150]<対称式と有理化>[/size][/b][br]xとyが共役(符号だけ一部反転)されているとき、[br]基本対称式xy,x+y,x+y+z,xyz,xy+yz+zx,......がカンタンな数になる。[br]すると、対称式は基本対称式で表現できるので、バラバラに代入するよりも計算がカンタンになる。[br](例)「x=[math]\sqrt{3}+\sqrt{2}[/math],y=[math]\sqrt{3}-\sqrt{2}[/math]のとき、x[sup]5[/sup]+y[sup]5[/sup]の値」は?[br] x+y=[math]2\sqrt{3}[/math],xy=3-2=1。[br][math]x^2+y^2=(x+y)^2-2xy=\left(2\sqrt{3}\right)^{^2}-2=10[/math][br][math]x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)=\left(2\sqrt{3}\right)^3-3\cdot1\cdot2\sqrt{3}=24\sqrt{3}-6\sqrt{3}=18\sqrt{3}[/math][br][math]x^5+y^5=(x^2+y^2)(x^3+y^3)-(xy)^2(x+y)=10\cdot18\sqrt{3}-1^{2\cdot}2\sqrt{3}=178\sqrt{3}[/math][br](例)「a+b+c=1,ab+bc+ca=-2, abc=-1のとき、[br]a[sup]2[/sup]+b[sup]2[/sup]+c[sup]2[/sup]、a[sup]3[/sup]+b[sup]3[/sup]+c[sup]3[/sup]の値」は?[br]a[sup]2[/sup]+b[sup]2[/sup]+c[sup]2[/sup]=(a+b+c)[sup]2[/sup]-2(ab+bc+ca)=(1)[sup]2[/sup]-2(-2)=1+4=5[br][math]a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)[/math]=1・(5-(-2))=7, 3abc=-3だから、[br][math]a^3+b^3+c^3=7+3abc=7+3\left(-1\right)=4.[/math]
★有理化してみよう。
★有理化ゲームをしよう。
3.平方根と応用
[b][size=150]<整数部分と小数部分>[/size][/b][br]平方根が数直線上にならべると、2つの整数の間にある。それがわかれなければ、[br]2乗してみれらばよい。n,n+1の2乗の間にDがあれば、√Dはnとn+1の間とわかり、√Dの整数部分はnとなる。[br][color=#0000ff](例)[br][/color]「 √17の整数部分」は?[br]17が4×4=16と5×5=25の間だから、√17は4と5の間。√17の整数部分は4。[br][color=#0000ff](例)[/color][br]「x=1/(3-√5)の整数部分Nと小数部分S」は?[br]xを有理化すると(3+√5)/4。√5は2と3の間。xは(3+2)/4=5/4=1.25と(3+3)/4=1.5の間。[br]だから、N=1。S=(3+√5)/4-1=(√5-1)/4[br][b][size=150]<次元下げ>[/size][/b][br]方程式x[sup]2[/sup]-2x-1=0 は、(x-1)[sup]2[/sup]=+-√2から、x=1+-√2。[br]だから、たとえばx=1+√2のときのxの高次式の値を出したいとする。x[sup]2[/sup]=2x+1を代入することで、[br]次元は1つ下げられる。これをくり返して1次式まで下げてからxの値を代入すればよいね。[br][color=#0000ff](例)[/color]「x=√2-1のとき、D=x[sup]4[/sup]+4x[sup]3[/sup]+3x[sup]2[/sup]+2x+1の値」は?[br]x+1=√2となるから、x[sup]2[/sup]+2x+1=2で、x[sup]2[/sup]=-2x+1[br]x[sup]4[/sup]=(-2x+1)[sup]2[/sup]=4x[sup]2[/sup]-4x+1からD=4x[sup]3[/sup]+(3+4)x[sup]2[/sup]+(2-4)x+1+1=4x[sup]3[/sup]+7x[sup]2[/sup]-2x+1+1=4x[sup]3[/sup]+7x[sup]2[/sup]+x[sup]2[/sup]+1[br]=4x[sup]3[/sup]+8x[sup]2[/sup]+1=4x[sup]2[/sup](x+2)+1=4(-2x+1)(x+2)+1=4(-2x[sup]2[/sup]-3x+2)+1=4(-2(-2x+1)-3x+2)=4x+1=[math]4\sqrt{2}-3[/math][br][br][b][size=150]<2重根号をはずす>[/size][/b][br][math]\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{\left(\sqrt{a}+\sqrt{b}\right)^2}=\sqrt{a}+\sqrt{b}[/math][br]2重根号が2倍されていて、2重根号の中の数を積abに分解して、2重根号の外の数がa+bになれば[br]根号をはずすことができますね。最初に2√abという形にすることが鍵になる。[br](例)[math]\sqrt{6+2\sqrt{5}}[/math]の2重根号をはずすと?[br]6=1+5, 5=1・5から、[br][math]\sqrt{5+1+2\sqrt{5\cdot1}}=\sqrt{\left(\sqrt{5}+\sqrt{1}\right)^2}=\sqrt{5}+1[/math][br](例)[math]\sqrt{3+\sqrt{5}}[/math]の2重根号をはずすと?[br]5=1・5、3×2=6=1+5から、[br][math]\frac{\sqrt{5+1+2\sqrt{5\cdot1}}}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}\sqrt{\left(\sqrt{5}+\sqrt{1}\right)^2}}{2}=\frac{\sqrt{2}\left(\sqrt{5}+1\right)}{2}=\frac{1}{2}\left(\sqrt{10}+\sqrt{2}\right)[/math][br]
4。無理数の近似値(参考)
[b][size=150]<開平法>[square root method][/size][/b][br][b]開平法は面積が指定された正方形から、[br]その面積を超えない1辺の長さを求める手続きです。[br]・手続き1で、ざっくり大きな正方形を入れる。[br]・手続き2で、まだスキマがある。残るL字型の誤差をそれより薄いL字型で埋めていく。[br][/b]L字の面積は、[color=#0000ff][b][u]幅が1から9で、長さが(2辺の和+幅)の長方形に[br]変形すること[/u][/b][/color]が仕込まれているため、手順が複雑に感じる可能性があります。[br]この手続き1は初回だけです。手続き2はくり返すことで、精度があがっていきます。[br][color=#0000ff][b]筆算でやるには、左右のスペースを使う。左は和のスペース、積と差のスペース。[br][/b][/color][b]・手順1(初回のみ)[br][/b](0行目と商)まず、√Aと右スペースにかく。左スペースは空。[br]  [color=#0000ff][b]小数点をさかいにAを2けた区切り[/b][/color]にしてブロックにわける。[br]  A=b[sub]0[/sub]+b[sub]1[/sub]+b[sub]2[/sub]+b[sub]3[/sub]+......とブロックにわかれたとする。[br] [color=#0000ff][b][u]r[sub]1[/sub]=b0ーp[sup]2[/sup]が最小になるpをみつける。[/u][/b][/color][br] b[sub]0[/sub]の上にp、左スペースにもpをかく。[br]  →意味:面積b0の正方形の中に一辺がpの正方形を入れるとL字のすきまがr1ある。[br](下の行)左スペースはpの下にpを、右スペースはb[sub]0[/sub]の下にD=p[sup]2[/sup]をかく。[br](小計行)[u]左スペースは和Bを、右スペースは差C=r[sub]1[/sub]b[sub]1[/sub]を[/u]かく。[br]  →意味:面積b0b1の正方形の中に一辺10pの正方形を入れるL字の面積がCのスキマがある。[br][color=#0000ff](例)[/color]√54321は、(b0,b1,b2)=(5, 43, 21)と区切る。[br]  r1=5-2・2=1から、p=2 (D=2・2=4, B=2+2=4, C=143)[br] →意味:5の面積の正方形には一辺p=2の正方形を入れるとL字のスキマがr1=1ある。[br] →意味:543の面積の正方形には一辺10・2=20の正方形を入れるとL字のスキマがC=143ある。[br][b]・手順2 (n=1,2,3,....でループする)[br][/b](最下行と商)[color=#0000ff]Bを左シフトして1の位をpとする整数Bpを考える[/color]。[br]  [color=#0000ff][u][b]r[sub]n[/sub][/b][/u][/color][b][color=#0000ff][u]=CーBp×pが最小になるpをみつける。D=Bp×p[/u][/color][/b][br] b[sub]n[/sub]の上の行にp,左スペースのBの右にpをつける。[br]  →意味:スキマのL字に面積DのL字を入れるとスキマrnができる。[br](下の行)[b][color=#0000ff][u]左スペースはBpのpの下にpをかき、右スペースはCの下にDを[/u][/color][/b]かく。[br](小計行)[u]左スペースは和Bを、右スペースは差C=r[sub]n[/sub]b[/u][sub]n+1[/sub][u]を[/u]かく。[br]  →意味:面積b0....bn+1の正方形にL字を入れたあとも、まだL字のスキマCがある。[br][color=#0000ff](例)√54321の開平の手順2は?[br][/color] n=1。r1=143 - 43・3=14から、p=3 (D=43・3=129, B=43+3=46, C=14 21)[br] →意味:543の面積の正方形には一辺20の正方形と面積D=129のL字を入れると[br]  一辺23の正方形を入れたことになる。L字のスキマはr1=14にへる。[br] →意味:54321の面積の正方形には一辺230の正方形を入れてもL字のスキマがC=1421ある。 [br] n=2。r2=1421 - 463・3=32から、p=3 (D=463・3=1389)[br] →意味:54321の面積の正方形には一辺230の正方形と面積D=1389のL字を埋めると[br]  一辺233の正方形を入れたことになる。L字のスキマがr2=32にへる。 [br]   233[sup]2[/sup]=54289[br][color=#0000ff](例)√2.000000....は?[br][/color]・手順1 (b0,b1,b2,b3,.....)=(2, 00, 00,00,.....)と区切る。[br] r1=2-1・1=1から、p=1 (D=1・1=1, B=1+1=2, C=1 00)[br] →意味:2の面積の正方形には一辺1の正方形を入れるとL字のスキマが1ある。[br] →意味:200の面積の正方形には一辺10の正方形を入れるとL字のスキマが100ある。[br]・手順2[br] n=1。r1=100 - 24・4=4から、p=4(D=24・4=96, B=24+4=28, C=4 00)[br] →意味:200の面積の正方形には一辺14の正方形を入れるとL字のスキマが4ある。[br] →意味:20000の面積の正方形には一辺140の正方形を入れるとL字のスキマが400ある。[br] n=2。r2=400 - 281・1=119から、p=1 (D=281・1=281, B=281+1=282, C=11900)[br] →意味:20000の面積の正方形には一辺141の正方形を入れるとL字のスキマが119ある。[br] →意味:2000000の面積の正方形には一辺1410の正方形を入れるとL字のスキマが11900ある。[br] n=3。r3=11900 - 2824 ・4=604から、p=4 (D=2824・4=11296, B=2824+4=2828, C=60400)[br] n=4。r4=60400 - 28282・2=3836から、p=2 (D=28282・2=56564, B=28282+2=28284, C=383600)[br] 1.4142[sup]2[/sup]=1.99996...[br][size=150][b]<ニュートン法>[br][/b][/size]・微分と接線の方程式を使います。[br] 開平に限らず使えます。[br] √Aの値を求めたいときに、[color=#0000ff][b][u]y=f(x)=x[sup]2[/sup]-Aのグラフとx軸との交点x[/u][/b][/color]が求める真の値となります。[br] 仮にx1=aで、グラフに接線をひいたときのx軸との交点をx2をすると、[br][color=#0000ff][b]f'(x1)=Δy/Δx=f(x1)/(x1-x2)[/b][/color]となります。x1-x2=f(x1)/f'(x1) だから、[br][color=#0000ff][b][size=150]x2=x1-f(x1)/f'(x1)[/size][/b][/color]となりますね。[br] これを連鎖的に使えば、x1,x2,x3,と真の√Aに近づける可能性があります。[br]・ニュートン法を開平専用にしてみよう。[br] √Aを求めたいとき、f(x)=x[sup]2[/sup]-A, f'(x)=2x。[br] xn=aとすると、xn+1=f(x)/f'(x)=(x[sup]2[/sup]-A)/2x=x/2-A/2x[br] このように出口の数を入口に入れるという繰り返しは、[br] [color=#0000ff][b][size=150]再帰的(Recursive)とか漸化式(Recurrence Formula)とか反復(Iteration)[/size][/b][/color]などと呼ぶ[br] 考え方に繋がります。[br][color=#0000ff](例)[/color]A=2のとき、xn=aとすると、xn+1==a/2-2/2a=a/2-1/a[br] x1=1とすると、x2=0.5+1/1=1.5[br] x3=1.5/2+1/1.5=1.4166[br] x4=1.4166/2+1/1.4166=1.4142[br] x5=1.4142/2+1/1.4142=1.414213562...[br] pythonの対話画面では直前の答えを「_ 」で参照できる。[br] だから、「_/2+1/_ 」と入力を続けると、どんどん精度をあげられるね。
★6けた数をAに入れて開平法を体験しよう。
★ニュートン開平法

5.集合

1.集合の定義と表し方
[size=100][size=150][code][/code][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][br][b]<集合は思考の道具だ>[/b][/size][/size][br]集合(class,set)を使うことで、考える対象が明確になる。[br]集合は対象の明確化の道具なので、2つ以上の集合の関係の明確化ができる。[br]だから、集合は論理的に考えるための道具として使うことができる。[br]そのため、集合は数学だけでなく、他の学問、ビジネスでもよく使われる。[br][br]集合の定義は入る資格([color=#0000ff]内包[Connotation][/color])か、[br]所属するもの([color=#0000ff]要素[Element][/color])の羅列([color=#0000ff]外延[Extension,Denotation][/color])によって実行する。[br][color=#0000ff](例)A={x|xは1けたの正の整数}(内包)、B={1,2,3,4,5,6,7,8,9}[br][/color] C={x| 3(例)プログラミング言語Pythonでも、リスト(List)と集合(Set)は区別している。[br][br][b][size=150]<空集合・全体集合・補集合>[br][/size][/b]集合には大文字1文字を使うことが多い。集合に[color=#0000ff]属する要素[/color]には小文字1文字を使うことが多い。[br][color=#0000ff](例)[/color]整数aが偶数の集合Eの要素であることの表し方[math]a\in E[/math][br] bがEの要素でないことは[math]E\not\ni b[/math][br][color=#0000ff][b][size=150]0が数であるように、何も要素がない空っぽの集合である。[br][/size][/b][/color]要素がない集合を、[color=#0000ff][b][空集合](Empty set)と言い、∅、[/b][/color][math]\phi[/math][color=#0000ff][b]とかく[/b][/color]。[br]集合を視覚化するためは、[u]ベン図や表、樹形図[/u]などを使う。[br]集合は単独に使うのではなく、考える対象の全体としての集合の部分として使う。[br][color=#0000ff][全体集合][/color]U(Universe)を整数の集合とするとき、偶数の集合をAとする。[br]Aの以外の部分、UーAは奇数の集合になる。A以外の集合をAの[color=#0000ff][補集合][/color](余集合)と言う。[br]Aにcを上につけたり、Aの直前に[math]\neg[/math]をつけたり、Aの真上にーをのせたりする。[br][br][br]
2.集合の関係演算
[size=150][b]<和>[br][/b][/size] 2つの集合A、Bで、Aの要素[color=#0000ff]「または(or)」[/color]Bの要素の集まりをAとBの[color=#0000ff][和集合(Union)][/color]という。[br][math]\cup[/math]は2つの集合を合併してあわせる演算である。[math]A\cup B[/math]とかく。[br][size=150][b][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば[/size][size=100]、[br]和集合は[/size][/size][size=150][size=100]「3の倍数または5の倍数」の集合。[br][/size][/size][size=150][b][br]<積>[br][/b][/size]2つの集合A、Bで、Aの要素[color=#0000ff]「かつ(and)」[/color]Bの要素の集まりをAとBの[color=#0000ff][積集合(Intersection)](共通部分)[/color]という。[br][math]\cap[/math]は2つの集合の共通部分に限定する演算である。[math]A\cap B[/math][size=150][size=100]とかく[/size][b]。[br][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば[/size][size=100]、[br]積集合[/size][/size][size=150][size=100]は「3[/size][/size][size=150][size=100]×5=15の倍数」の集合。[br](数的、論理的に積に対応するから積集合の名があるのだろう。)[br][/size][/size][size=150][size=150][b][br]<差>[br][/b][size=100]全体集合Uのうち、Aの要素[color=#0000ff]「でない」[/color]ものの集まりを[color=#0000ff][補集合(Complement)][/color]という。[br][/size][math]\neg A[/math][size=100]とかくことにする。[br][/size][/size][/size]2つの集合A、Bで、Aの要素「であるが」Bの要素「でない」ものの集まりを[color=#0000ff][差集合(Difference)][/color]という。A-Bとかく.[br]差集合A-B=[math]A\cap\neg B=A-A\cap B[/math]。[br]AからAとBの積集合(共通部分)を取り除いた残りとも言える。[br][size=150][b][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば、[br]差集合A-Bは3の倍数だが5の倍数でない集合。[br][/size][/size][br][size=150][b]<対称差>[/b][/size][br]2つの集合A、Bで、AとBの[color=#0000ff]「どちらか片方だけ」[/color]の要素の集まりをAとBの[color=#0000ff][対称差(Symmetric difference)][/color]という。[br]A-BとB-Aを合併したもので、[color=#0000ff]排他的な和[/color]集合ともいい、[br]狭い方の「[b]日本語のまたは[/b]」と同じ意味になる。[br]回路設計やプログラミングに役立つことがある。[br][math]\left(A\cap\neg B\right)\cup\left(B\cap\neg A\right)[/math][br][size=150][b][color=#0000ff](例)[/color][/b][/size][size=150][size=100]A={x|xは3の倍数}、B={x|xは5の倍数}ならば、対称差は3か5の片方だけの倍数の集合。[/size][/size][br]
★集合による数の分類を視覚化してみよう。
3.部分集合と要素数
[size=150][b]<集合の要素数>[/b][/size][br]1つの集合Aの[color=#0000ff]要素数をn(A)[/color]とかき、集合のサイズという。[br][color=#0000ff](例)[/color]プログラミング言語では、集合やリストAの要素数をsize(A),Length(A),len(A)などと書く。[br][br][b][size=150]<集合の部分>[/size][/b][br]1つの集合の要素の一部分を要素とする集合をもとの集合の[color=#0000ff][部分集合[Subset]][/color]という。[br]もとの集合のサイズをnとすると、n個の要素の所属が2通りずつある。[br]だから、[color=#0000ff]部分集合の個数は2[sup]n[/sup]個[/color]ある。[br][br][color=#0000ff](例)[/color]A={1,2,3,4}の部分集合は2[sup]n[/sup]個ある。[br] サイズ4が4C4、サイズ3が4C3、サイズ2が4C2、サイズ1が4C1、サイズ0が4C0(個)[br] [color=#0000ff]4C4+4C3+4C2+4C1+4C0=1+4+6+4+1=16=2[sup]4[/sup][br] [/color]サイズ4が4C4=1個ある。{1,2,3,4}[br] サイズ3が4C3=4個ある。{1,2,3},{1,2,4},{1,3,4},{2,3,4}[br] サイズ2が4C2=6個ある。{1,2},{1,3},{1,4},{2,3},{2,4},{3,4}[br] サイズ1が4C1=4個ある。{1},{2},{3},{4}[br] サイズ0が4C0=1個ある。[math]\phi[/math] [br]どんな整数の約数にも1とその数自身があるように、[br]どんな集合の部分集合として、空集合とその集合自身の2個はある。[br][br][b][size=150]<集合の包含と相等>[/size][/b][br]AがBの部分集合ならば、[math]A\subseteq B[/math]。BがAの部分集合ならば、[math]B\subseteq A[/math]。[br]この2つが両方なりたつときに、[math]A=B[/math](相等)[br][color=#0000ff](例)[/color]6の倍数Aは2の倍数Bの部分集合なので、[math]A\subset B[/math][br][br][b][size=150]<集合の類別>[/size][/b][br]1つの集合を重なりのない複数の集合に分けることを類別という。[br][color=#0000ff](例)[/color]整数全体Nを、5で割ったあまりによって、5つの集合に類別できる。[br]余りがnの部分集合をCnとかくと、[br][math]N=C0\cup C1\cup C2\cap C3\cap C4[/math](整数は余りが0,1,2,3,4のどれか1つに決まり、それ以外ない)[br][math]i\ne j\therefore Ci\cap Cj=\phi[/math](余りがちがうと重なる要素はない。排反)
★3集合の重なる部分を観察しよう

7.2次関数の式とグラフの関係

★2次関数の基本形
★2次関数の基本形2
1.2次関数の基本形
[b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][/size][/size][/b][br]<頂点が原点(0,0)のグラフの特徴>[/size][/size][/b][br][size=100]y=x[sup]2[/sup][/size]の対応表を作ると、x=1,2,3のとき、[size=100]x[/size][sup]2[/sup]=1,4,9となり、[br]xの増加にともない急激に大きくなる。[br][size=100]x=2は1と3の平均だが、y=4は1と9の平均の5より少ない。[br]だから、グラフは下がふくらむ[[color=#0000ff][b]下に凸][/b][/color]の曲線になる。[br]x=+sのときと、x=-sのときでは、yは同じs[sup]2[/sup]の値になるから、[br][[color=#0000ff][b]左右対称(y軸で対称)][/b][/color]になる。[br]y軸(y軸の方程式はx=0)が[[color=#0000ff][b]対称軸][/b][/color]になっている。[br][br][/size][color=#0000ff](例)[/color][math]x=5,6,7,y=f\left(x\right)=x^2=25,36,49[/math]で、[br]36<(25+49)÷2=37よりf(x)は線分(5,25)(7,49)より下を通る。[br][math]f\left(-5\right)=f\left(5\right)=5^2=25[/math][br][size=150][b]<2次の係数の大小とグラフ>[br][/b][/size]yはxの関数なので、y=[i]f[/i](x)とか、y=[i]g[/i](x)などのようにかくことがある。[br][i]f,g[/i]が関数の名前のように使える。[i]f[/i](x)=[i]a[/i]x[sup]2[/sup]と[i]g[/i](x)=[i]b[/i]x[sup]2[/sup]のグラフで、[color=#0000ff]0<[i]a[/i]<[i]b[/i]とする[/color]。[br]0<[i]f[/i](x)<[i]g[/i](x)(xが非ゼロ)。[br][color=#0000ff]y座標ffグラフの上にグラフgにある[/color]。[br][color=#0000ff](例)[math]f\left(x\right)=5x^2,g\left(x\right)=2x^2[/math]なら、原点でくっつき、それ以外はfはgより上にある。[/color][br][size=150][b]<2次の係数の正負とグラフ>[br][/b][/size]y=[i]f[/i](x)=ax[sup]2[/sup]とy=[i]g[/i](x)=-ax[sup]2[/sup]のグラフで、f(1)=a,[i]g[/i](1)=-aとなる。[br]だから、-[i]f[/i](1)=[i]g[/i](1)となる。[br]xが0以外ならいつでも-[i]f[/i](x)=[i]g[/i](x)だから、[br][i]f[/i]と[i]g[/i]は上下逆(y軸方向)にある。[color=#0000ff]x軸について対称[/color]とも言える。[br][color=#0000ff](例)[math]f\left(x\right)=2x^2,g\left(x\right)=-2x^2[/math][br][/color] [math]-f\left(1\right)=g\left(1\right)=-2,-f\left(x\right)=g\left(x\right)=-2x^2[/math][math]-f\left(1\right)=g\left(1\right)=-2,-f\left(x\right)=g\left(x\right)=-2x^2[/math][math]-f\left(1\right)=g\left(1\right)=-2,-f\left(x\right)=g\left(x\right)=-2x^2[/math][br][br][br][b][size=100][size=150][color=#999999][br][/color][/size][/size][/b]
★2次関数の標準形
2.2次関数の標準形と一般形
[size=150][b]<標準形の頂点は(p,q)>[br][/b][size=100]頂点が原点0(0,0)からP(p,q)に平行移動したグラフを考える。[br][color=#0000ff][b]y=f(x)上にある任意の点Q[/b][/color](x,y)が、R(L,M)に平行移動すれば、[br][b][i][color=#0000ff]L[/color][/i][/b][i][color=#0000ff][b]=x+p,M=y+q[/b][/color][/i]となる。[br]逆算して[i][color=#0000ff][b]x=L-p,y=M-q[/b][/color][/i]。これをy=f(x)に代入すると、[br]L、Mの間に[i][b][color=#0000ff]M[/color][/b][color=#0000ff][b]-q=f(L-p)[/b][/color][/i]という関係ができる。[br][/size][size=100]だから、y=f(x)=x[sup]2[/sup]を(1,2)に平行移動したグラフはM−2=f(L-1)=(L-1)[sup]2[/sup]となる。[br](L,M)のLはx座標、Mはy座標という意味がわかるように書き直すと、y-2=(x−1)[sup]2[/sup][br][/size][b][br]一般に、[color=#0000ff]グラフy=ax2の頂点[/color]を原点から[color=#0000ff]点(p,q)に平行移動[/color]したグラフは[br][color=#0000ff]y-q=a(x-p)[sup]2[/sup]、[b][color=#0000ff]y=a(x-p)[sup]2[/sup]+q[/color][/b][/color]となる。これを標準形という。[br][/b][/size][b][br][size=150]<標準形の軸はx=p>[/size][br][/b]頂点が原点0(0,0)のグラフは原点を通るy軸(x=0)で左右対称だった。[br]頂点が点P(p,q)のグラフは点Pを通りy軸に平行な直線(x=p)で左右対称になる。[br]だから、対称軸という意味から、簡単にx=pをグラフの[[b][color=#0000ff]軸][/color][/b]という。[br][b][size=150]<一般形と対称移動>[/size][/b][br][color=#0000ff]y-q=a(x-p)[/color][sup]2[/sup]を展開してyについて解くと、[b]y=ax[sup]2[/sup]+bx+c[/b]の形になる。[br]これを[b][size=150]一般形[/size][/b]という。[br]グラフをx軸(y=0)について対称移動すると頂点(p,q)は(p,-q)に移動し[br]グラフ上の点(x,y)は(x,-y)に移動する。[br]だから、式はy=-([b]ax[sup]2[/sup]+bx+c)=-[b]ax[sup]2[/sup]-bx-cになる。すべての係数の符号が反転する。[br][/b][/b]グラフをy軸(x=0)について対称移動すると頂点(p,q)は(-p,q)に移動し[br]グラフ上の点(x,y)は(-x,y)に移動する。[br]だから、式はy=-[b]a(-x)[sup]2[/sup]+b(-x)+c=[b]ax[sup]2-[/sup]bx+cとなる。[br]1次の係数だけ符号が反転する。[br][/b][/b]グラフをx軸、y軸について続けて対称移動すると、[br]原点について対称移動する。[br]頂点(p,q)は(p,q)に移動し、グラフ上の点(x,y)は(-x,-y)に移動する。[br]すべての係数を反転させてから、1次の係数を反転させることになるから、[br]結果として、[b]2次の項と定数項の符号が反転する。[/b][b]y=-ax[sup]2[/sup]+bx-cとなる。[br][size=150][br]<一般形の平方完成>[/size][/b][br][color=#0000ff][b][size=150]一般形y=ax[sup]2[/sup]+bx+cは標準形y=a(x-p)[sup]2[/sup]+qに変形する[/size][/b][/color]と、[br]一般形の定数項cからy切片はすぐわかる。[br]一般形を標準形に変形すると、さらに頂点(p,q)、軸x=pの情報が増やせるね。[br]この変形を[b]平方完成[/b]という。[br]平方完成という変形は、解の公式を導くときとほぼ同じで、[br] =0という形からの定数移項処理がないだけ。[br] (手順1)定数項以外をaでくくる。1次の項はb/aになる。[br] (手順2)1次の項を÷2して、2乗の展開式に直す。[br]  カッコ2乗の中はx+b/2aとなり、これがx-pに相当する。[br]  カッコ2乗の外にもともとあるcの他に-(b/2a)²を追加する。[br] (手順3)カッコ2乗の外の定数部分c -(b/2a)[sup]2[/sup]をまとめた値が+qに相当する。[br] (手順4)グラフを書くときは、aの正負、線対称の軸がx=p, 頂点(p,q)、[br]     y切片y=c、頂点のまわりはなだらかに円をかくような曲線、などを意識するとよい。
★対称移動で変わるもの
★平方完成のステップを地道に実行してみよう。

11.三角比

★向きが変わってもわかるようにしょう
1.直角三角形と三角比
[b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][/size][/size][/b][br]<直角以外の角はペア>[br][/size][/size][/b][color=#0000ff][b][size=150]直角以外のペアを角A,角Bとし、直角をCとするとき、[br][/size][/b][/color]角AとBを互いに[color=#0000ff][b][size=150]余角[complementary angle][/size][/b][/color]ということがある。[br]角A,B,Cの対辺をa,b,rとしてみる。[br]・Aの角の[color=#0000ff]正弦sinA[/color]はAからスタートし、[[color=#0000ff][u]A[/u]→B→C(直角が最後)[/color]]の順になぞる、[br]sの筆記体に似ている。[math]\frac{BC}{AB}=\frac{a}{r}[/math]と、[color=#0000ff]斜辺rが分母、[u]Aに正対する対辺a[/u]が分子[/color]になる。[br]・Aの角の[color=#0000ff]余弦cosA[/color]はAをはさむ[[color=#0000ff]B→[u]A[/u]→C(直角が最後)[/color]]の角A記号順で、[br]cの文字に似ている。[math]\frac{AC}{BA}=\frac{b}{r}[/math]、[color=#0000ff]斜辺が分母[/color]、Aの対辺でも[br]斜辺でもない[u]残りの辺[/u]、Aにくっつく辺が分子になる。[br]・Aの角の正接tanAはAからスタートして直角を経由しACBの順で、[br]tの筆記体に似ている。[br][color=#0000ff]A地点から、[/color]直角Cまでの距離分のCから[color=#0000ff]Bの高さを仰ぎ見る角の傾き[/color]。[br]すると、[color=#0000ff][size=150][b][u]ペアで定義からsinとcosが入れ替わる[/u][/b][/size]。A+B=180-90=90度から[/color]、[br][b][u]sinB=cosA=cos(90-B)。[br]cosB=sinA=sin(90-B)。[br]tanB=1/tanA(逆数になる)[/u][/b][color=#0000ff][br](例)おなじみの値なので、計算できてしまうもの。[br] [/color][size=150][color=#0000ff][b][u]◯+△=90(度)ならsin◯=cos△[br][/u]・√3がからむか1/2がからむと30度か60度。(小中学生がやるように正三角形で確認)[br]・√2がからむと45度(小中学生がやるように直角三角形で確認)。[br][/b][/color][/size][size=150][b] sin30°=cos60°=[/b][math]\frac{1}{2}[/math][b]、[br] sin60°=cos30°=[/b][math]\frac{\sqrt{3}}{2}[/math][b]。[br] tan30°=1/tan60°=[/b][math]\frac{1}{\sqrt{3}}=\frac{\sqrt{3}}{3}[/math][b]、tan60°=[/b][math]\sqrt{3}[/math][b][br] sin45°=cos45°=[/b][math]\frac{1}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}}{2}[/math][b]、tan45°=[/b][math]\frac{1}{1}[/math][b]=1。[br][/b][/size] [color=#0000ff](例)[/color][color=#0000ff]値がわからなくても、置き換えだけはできる例[br][/color] sin20°=cos70°、tan20°=1/tan70°。[br][color=#0000ff](例)角度θがわからなくても、直角三角形の3辺の長さから決まる例。[br][/color] θが90°未満で、sinθ=3/5のときのcosθ、tanθは?[br] 斜辺1の直角三角形とすると、[br] 残りの辺の長さは1-(3/5)[sup]2[/sup]=16/25の平方で4/5。[br] だから、[br] cosθ=4/5。tanθ=3/4。[br](例)角度がわかっていても、辺の比が未知の非有名角(36°、18°など)[br] ・cos36°、sin36°[br] 相似や二等辺三角形を利用して辺の比を求める。それを利用して三角比に利用しよう。[br] A,B,Cの順に36,72,72(°)の二等辺三角形を作りAB上に点Dをとり、72の角CをCDで2等分する。[br] すると、三角形BCDはABCと相似。DからACに垂線DEを下ろすと、DEは二等辺三角形ADCの角Dを[br] 2等分するから、三角形ADEと三角形CDEは合同。[br] BC=1、DB=xとおくと、二等辺の特徴から、CD=AD=BC=1。AC=AB=1+x[br] 三角形ABCとDBCの相似比からx:1=1:(1+x)。x(1+x)=1となり、x[sup]2[/sup]+x−1=0[br] x=(-1+√5)/2。だから、AB=AC=1+x=(1+√5)/2となる。EはACにの中点だから、AE=(1+√5)/4[br] だから、[br] cos36°=AE/AD=(1+√5)/4。[br] sin36°=1-(1+√5)[sup]2[/sup]/4[sup]2[/sup]=(16-1-5-2√5)/16=(10-2√5)/16=(5-√5)/8。[br] ・sin18°、cos18°[br] A,B,Cの順に36,72,72(°)の三角形の辺の比がAB:BC=(1+√5)/2:1であることが利用できる。[br] 角Aから垂線AFをひくと、直角三角形ABFの辺の比は(1+√5):1となるから、[br] sin36°=1/(√5+1)=(√5-1)/(5-1)=(√5-1)/4。[br] cos18°=1-(√5-1)[sup]2[/sup]/4[sup]2[/sup]=(16-1-5+2√5)/16=(10+2√5)/16=(5+√5)/8。
2.半円周と三角比
[b][size=150]<円周上で三角比を再定義する>[/size][/b][br]中心Oで半径rの半円を、A(r,0),B(0,r),C(-r,0)の順にかく。円周上の点をPとする。[br][u]半径OPが半径OAと作る角AOPは0°以上180°以下で、角AOPをθ(シータtheta)とする。[br][/u][br]・θが90°未満のとき、OPを斜辺として、[br]Pからx軸におろした垂線の足をHとする。[br]直角三角形OPHで、半径OP=rだから、三角比は次のようにかける。[br][math]cos\theta=\frac{OH}{r},sin\theta=\frac{PH}{r},tan\theta=\frac{PH}{OH}[/math][br][br]すると、[br]点Pの[br][color=#0000ff]x座標[/color]=OH=[color=#0000ff]rcosθ[/color]、[br][color=#0000ff]y座標[/color]=PH=[color=#0000ff]rsinθ[/color]となる。[br]そして、[color=#0000ff]tanθ[/color]=y/xで原点Oを通る動く[color=#0000ff]半径(動径)OPの傾き[/color]になる。[br]三角比を動点の座標と動径の傾き再定義する。[br][br][color=#0000ff][u]三角比の再定義「半径rの円周と直線y=mxの交点Pについて、P(r cosθ、r sinθ)、m=tanθ」[br][/u][/color][br][b][size=150]<θと180-[b][size=150]θ[/size][/b]の三角比>[/size][/b][br]和が180°になる2つの角を互いに[color=#0000ff][b][size=150]補角[supplementary angle][/size][/b][/color]ということがある。[br]θが90°と180°の間のとき、[color=#0000ff]α=180-θ[/color]となる角AOP’を作る。[br]OP’はOPをy軸に対称移動。[br]OP’とOPの[color=#0000ff]y座標は同じで、x座標と傾きは異符号で同じ絶対値[/color]になる。[br][math]cos\theta=-cos\left(180-\theta\right),sin\theta=sin\left(180-\theta\right),tan\theta=-tan\left(180-\theta\right)[/math][br][b][u]◯+△=180(度)なら sin◯=sin△, cos◯+cos△=0[br][/u] [/b][br][color=#0000ff](例)値が計算できるもの。[br][/color] cos120°=-cos60°=-[math]\frac{1}{2}[/math],sin120°=sin60°=[math]\frac{\sqrt{3}}{2}[/math],tan120°=-tan60°=[math]-\sqrt{3}[/math]。[br] cos150°=-cos30°=[math]-\frac{\sqrt{3}}{2}[/math],sin150°=sin30°=[math]\frac{1}{2}[/math],tan150°=-tan30°=[math]-\frac{\sqrt{3}}{3}[/math]。[br]-tan120°+2sin150°=-(-tan60°)+2(sin30°)=√3+2(1/2)=√3+1[br][color=#0000ff][br] (例)数式として置き換えられるもの[/color][br]cos160°=−cos20°,sin160°=sin20°,tan160°=−tan20°。[br][br][color=#0000ff](例)[color=#0000ff]角度θがわからなくても、直角三角形の3辺の長さから決まる例。[/color][br][/color]θが90°と180°の間で、sinθ=3/5のときのcosθ、tanθは?[br]単位円周(半径1の円周)上の動点Pのy座標を3/5とする。[br] 180-θのときのy座標も3/5。[br]x座標は直角三角形の残りの辺の長さで1-(3/5)[sup]2[/sup]=16/25の平方で4/5[br]だから、cos(180-θ)=4/5。cosθ=-4/5。tanθ=-3/4。[br] [br][b][size=150]<Pが軸上の三角比>[/size][/b][br]θが0°のときは、再定義により、OP=OA=(r,0)となるから、[br]cos90°=1、sin90°=0、tan90°=0/1=0となる。[br]θが90°のときは、再定義により、OP=OB=(0,r)となるから、[br]cos90°=0、sin90°=1、tan90°=無限大となる。[br]θが180°のときは、再定義により、OP=OC=(-r,0)となるから、[br]cos90°=-1、sin90°=1、tan90°=0/-1=0となる。[br][br][b][size=150]<θとθ+90の三角比>[/size][/b][br]・θが90°未満のとき、α=θ+90°となる角AOP’を作る。[br]直角三角形を90°回転移動することと同じで、合同に目をつける。[br]余弦は符号に注意する。[br][b][size=150][color=#0000ff]鈍角は90引いて鋭角にし、sinとcosが入れ替える。cos鈍角はマイナス。[br][/color][/size][/b][br][math]cos\left(\theta+90\right)=-sin\theta,sin\left(\theta+90\right)=cos\theta,tan\left(\theta+90\right)=-\frac{1}{tan\left(\theta\right)}[/math][br][color=#0000ff](例)[/color]cos135°=-sin45°, sin135°=cos45°,tan135°=-1/tan45°[br]cos100=-sin10,sin100=cos10,tan100=-1/tan10。
★合同と符号に目をつけよう
★対応辺に目をつけよう
3.三角方程式
[size=150][b]<等式の証明>[/b][/size][br][color=#0000ff][b]単位円(半径1の円)[/b][/color]の方程式は、[color=#0000ff]三平方の定理からx[sup]2[/sup]+y[sup]2[/sup]=1[sup]2[/sup][/color]となる。[br][color=#0000ff]動点Pの座標は(cosθ, sinθ)となる。[br]これを代入すると、(cos θ)[sup]2[/sup]+(sinθ)[sup]2[/sup]=1[sup] [/sup]。[b]cos[sup]2[/sup]θ+sin[sup]2[/sup]θ=1とかく。[br][/b][/color]これは、sinとcosの置き換え式として、よく使われる。[br]cosθとsinθの絶対値は1以下である。[br]また、[color=#0000ff][b]tanθ=sinθ/cosθ[/b][/color]は、tanの定義の式でもあるが、相互の置き換えに使える。[br][color=#0000ff] (例)[br][/color]「sinθcosθ=[math]\frac{tan\theta}{1+tan^2\theta}[/math]」の証明は?[br]左辺を変形して右辺にするか、右辺を変形して左辺にする。[br]右辺の分母と分子にcosθをかけると、分子はsinθ。[br]分母はcosθ+sin[sup]2[/sup]θ/cosθ=(cos[sup]2[/sup]θ+sin[sup]2[/sup]θ)/cosθ=1/cosθ。[br]右辺はsinθ/(1/cosθ)=sinθcosθ。[br][br][b][size=150]<三角方程式>[/size][/b][br]θが0°以上180°以下、pは0以上1以下、qは−1以上1以下、rは任意の実数。[br][color=#0000ff][b][size=150][u]単位円のx座標がcosθで正負どちらもありうる。y座標がsinθで負にならない。[br][/u][/size][/b][/color]図をかいてしらべる。[br]・sinθ=pとなるのは、動点のy座標がpになることで、[br][color=#0000ff]90°以下の角をαとすると、180ーαも解[/color]になる。[br]・cosθ=qとなるのは、x座標とθは1対1に対応するので、1つに決まる。[br]・tanθ=rとなるのは、原点を通る直線の傾きがrとなるときのθ。[br] 三角比の部分をxとかtなどとおき、[color=#0000ff][b]θの指定によりxやtの定義域をはっきりさせよう[/b][/color]。[br] そのうえで、xやtの方程式や不等式、関数式やグラフから変化の特徴をつかもう。 [br] そうすることで、三角方程式、三角不等式の[color=#0000ff][b]解や解の範囲や解の個数など[/b][/color]を調べることができるね。[br][br][color=#0000ff](例)[/color]sinθ+cosθ=1/2のときのsinθcosθの値は?[br] 両辺2乗して、(cos θ)[sup]2[/sup]+(sinθ)[sup]2[/sup]=1を活用すると、1+2sinθcosθ=1/4。sinθcosθ=-3/8[br][color=#0000ff](例)[/color] tanθ=-2(θは90以上180°以下)のときの1/cosθの値は?[br][math]\frac{1}{cos^2θ}=\frac{cos^2θ+sin^2θ}{cos^2θ}==1+tan^2θ=5。tanθ=-2が負だからcosθも負で\frac{1}{cosθ}=-\sqrt{5}。[/math][br][color=#0000ff](例)[/color]2sin[sup]2[/sup]θ+5cosθ+1=0(θは90以上180°以下)となるθは?[br] cosθ=x(絶対値は1以下)とおくと、[br] 左辺=2(1-x[sup]2[/sup])+5x+1=-2x[sup]2[/sup]+5x+3=-(2x[sup]2[/sup]-5x-3)=-(2x+1)(x-3)=0となる。[br] x=3,-1/2<=1から、cosθ=-1/2から、cos(180-θ)=1/2 で180-θ=60。θ=120°

15.データの分析

1.データの階級と度数
[b][size=100][size=150][b][size=100][size=150][color=#999999]このページは電子ブック「[i][url=https://www.geogebra.org/m/vffm84sw]探求 数学[/url]Ⅰ」の一部です[/i]。[/color][br][/size][/size][/b][/size][/size][/b][br]25人のデータがあるとする。[br]身長の高い順に並んでもらったときのデータです。[br]身長={ 180,179,179,179,178, 178,176,176,175,173, [br]    171,171,170,169,169, 165,165,164,163,162,[br] 160,158, 158,155,153}[br]25人の集団の特徴を知るためには、単純化をするのがよい。[br]そのためにデータの値の範囲を一定に区切る。これが[color=#0000ff][b]階級(ranks, classes)[/b]。[br][/color]階級ごとのデータ数を[color=#0000ff][b]度数(degree)[/b]という。[br]これを表にしたものが「度数分布表」、[br]グラフにしたものが「[b][u]ヒストグラム(Histo[/u]gram)[/b]」。[/color][br]階級の幅によっては、データ分布のようすが違って見えることがある。[br]これは、データの疎密差が大きいときにおきる。 [br][br][br]
2.データを代表する値
[br][color=#0000ff][b]平均値(average,mean、略してm)[/b][/color]:[i]m[/i]=合計÷データの個数[br][color=#0000ff][b]最頻値(mode)[/b][/color]:個数が最も多い値(階級の場合は[b]階級の中央値[/b])[color=#0000ff][br][b]中央値(median)[/b][/color]:データを値の大きさの順に並べたときの[b]中間の順位[/b]にくる値。[br]データ数が偶数のときは、2数の平均値。[br][color=#0000ff][br][b]四分位数(quartile1,2,3)[/b][/color]:データの4等分の境目の値。まず、データを中央値で2等分する。[br][b]・[u]中央値未満[/u][/b][b][u]のデータの中央値[/u][/b]を[color=#0000ff]第1四分位数[/color](quartile1)という。[br]・もともとの中央値を、[color=#0000ff]第2四分位数[/color](quartile2=median)という。[br][b]・[u]中央値より大[/u][/b][b][u]のデータの中央値[/u][/b]を[color=#0000ff]第3四分位数[/color](quartile3)という。[br]3つの四分位数の分布を数直線上の箱にかき、[br]最小値までの線、最大値までの線をひげにしてつけた図を[color=#0000ff][b][u]箱ひげ図(Box[/u]plot)[/b][/color]という。[br]最小値、最大値、3つの四分位数の5数でデータを特徴づけることから、5数要約ともいう。[br]範囲=最大値ー最小値、つまりデータ範囲[br]四分位範囲=第3四分位ー第1四分位、つまり、箱の長さ。[br]四分位偏差=四分位範囲÷2、つまり、データの散らばり具合。平均とは関係ない。[br][br][b]分散([color=#0000ff]variance[/color] 略してv)[/b]:データの平均からのデータのバラツキ。[br]v=[math]\frac{1}{n}\sum\left(x-m\right)^2[/math]。データと平均の差を[color=#0000ff]偏差[/color]という。[br][color=#0000ff][b]分散=偏差の2乗の平均[/b][/color]したもの。[br](例)式変形により、[color=#0000ff][b][size=150]分散=(2乗の平均)ー(平均の2乗)[/size][/b][/color][br][br][math]v=\frac{1}{n}\sum\left(x-m\right)^2=\frac{\sum\left(x^2-2m\cdot x+m^2\right)}{n}=\frac{\sum x^2}{n}+\left(-2m\right)\frac{\sum x}{n}+\frac{\sum m^2}{n}=\frac{\sum x^2}{n}+\left(-2m^2\right)+m^2=\frac{\sum x^2}{n}-\left(\frac{\sum x}{n}\right)^2[/math][br][b][color=#0000ff][size=150]標準偏差(standard deviation[/size][/color][/b]略して、[b]sd[/b]):[math]sd=\sqrt{v}[/math]。[b]分散の平方根[/b]。[br]ルートすることで、分散の次元を変量と同じにし足し引きできるようにしたものに意味がでる。[br]偏差値:平均を偏差値50とすると、SDが偏差値10の差に相等とする。[br](例)平均点が30点で、標準偏差が15点のテストの場合、[br]0,15,30,45,60,75(点)の順に偏差値30,40,50,60,70,80になる。[br]
3.2つの項目の関連を見る
[b][size=150]<相関係数の求め方>[/size][/b][color=#0000ff][br]相関(correlation, interrelation)[/color]には正と負がある。[br][color=#0000ff]正の相関[/color]があるのは、一方の増加が他方の増加に関係があるとみられるとき。[br]相関を見やすくするための図が[color=#0000ff][u]散布図(Scatter[/u]Plot)[/color]です。[br][color=#0000ff]負の相関[/color]は反対の動きが見られるとき。[br][color=#0000ff]無相関[/color]は変化の連動性がみられないとき。[br][br][color=#0000ff](例)[/color]25人の身長と体重の関係を調べると、[br]比例はしないが身長が大きい人は体重が大きいという、ざっくりとした傾向がみられるとしたら、[br]身長と体重には正の相関があると言える。[br]学校外での1日の平均学習時間と体重には関係がみられないとしたら、無相関。[br]1日の運動時間が長い人はおよそ、体重が少なくなる傾向があるとしたら、[br]負の相関があると言える。[br][br][color=#0000ff][b]共分散:データと平均の差を偏差という。[br][/b][/color] 2項X,Yについてのx偏差とy偏差の積の平均をxyの[color=#0000ff]共分散(covariance)[/color]という。[br][math]Sxy=\frac{1}{n}\sum\left(x-m_x\right)\left(y_{ }-m_y\right)[/math][br]xy平面を2直線x=mx, y=myで切り分けることで、4種のデータに分けられる。[br][color=#0000ff][b]X=x-mx,Y=y-myとすると、X、Yともに正だとXYも正、X,Yのともに負でもXYが正になる[/b][/color]。[br]この2つの領域にデータの大半があるならば、データ全体は(X,Y)=(0,0)を通る右上がりの[br]直線に多く分布するから、共分散が正で絶対値が増えると正の相関が高いことに対応する。[br]逆に、X,Yの正負が反対の場合は、平均からのXの変位とYの変位が逆になるデータが多くなり、[br]積XYが負のデータが多くなる。だから、XY総和の平均である共分散が負になっていく。[br][br][color=#0000ff]相関係数(correlation coefficeant)[/color]:2量の共分散Sxyを2量の変量の標準偏差の積SxSyで割った商。[br] r=[math]\frac{1}{n}\sum\left(x-m_x\right)\left(y-m_y\right)\cdot\frac{1}{\sqrt{\frac{1}{n}\sum\left(x-m^x\right)^2}\sqrt{\frac{1}{n}\sum\left(y-m_y\right)^2}}=\frac{\sum\left(x-m_x\right)\left(y-m_y\right)}{\sqrt{\sum\left(x-m_x\right)^2}\sqrt{\sum\left(y-m_y\right)^2}}[/math][br][b][size=150]<相関係数の性質>[br][/size][/b][color=#0000ff]「相関係数の絶対値は1以下である。」[br][/color]n人のXとYの偏差データを、n要素をもつaベクトル、bベクトルとする。[br]r=aとbの内積/(aの大きさ・bの大きさ)[br]=[math]\frac{\left(a\cdot b\right)}{\parallel a\parallel\parallel b\parallel}[/math]=cosθ(θは2つのベクトルの作る角)[br][br]r=cosθは-1以上1以下。[br][b]r=0のとき、θ=90°(無相関)。[/b][br]r=1のとき、 θ=0(最大の正の相関)2つのベクトルは同じ向きに重なる。[br]r=-1のとき、θ=180°(最大の負の相関)2つのベクトルは逆向きに1直線になる。[br][br]また、コーシーシュワルツ不等式∑a[sup]2​[/sup]∑b[sup]2[/sup]​≥(∑​a​b​)[sup]2[/sup]からも、[math]1\ge\frac{\left(\sum ab\right)^2}{\sum a^2\sum b^2}[/math]と言える。[br]右辺は相関係数の2乗である。[br]だから、相関係数の絶対値は1以下。[br][color=#0000ff]「相関係数は単位によらない」[br][/color]・xに[b]k倍のx[/b]を代入すると、[br]xの偏差がk倍になるので、∑の性質から、[b]共分散[/b]はk倍になる。[br]xの[b]標準偏差[/b]もk2乗倍の和のルートでk倍になる。[br][b]相関係数[/b]の分母、分子ともにk倍になるので[b]k倍の影響は相殺[/b]される。[br]

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