『標本の大きさ n が十分大きければ,母標準偏差の代わりに標本標準偏差を使ってよい』とされています.[br]この点について,下のアプレットを使って学んでみましょう.[br]このアプレットでは,母平均 100,母標準偏差 10 の母集団から標本を抽出し,母標準偏差の代わりに標本標準偏差(あるいは不偏標準偏差)を使って標準化した標本平均の分布をヒストグラムに表示しています.[br]標本標準偏差 :[math]\sqrt{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^n (X_i - \overline{X})^2}[/math] 不変標準偏差 :[math]\sqrt{\frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^n (X_i - \overline{X})^2}[/math]
質問1[br]3番目のスライダーを不偏分散に固定してください.[br]標本の大きさのスライダーと正規分布のスライダーを動かして,[br]ヒストグラムが正規分布(z分布)に従うかどうか,別の分布(t分布)に従うかどうかを観察してください.[br]どちらが適しているといえるでしょうか?
標本の大きさが小さいときはt分布に従うといえる.ただし,標本の大きさが30近くになるとt分布とz分布の差が少なくなるのでどちらでも良いといえる.
質問2[br]標本の大きさ [i]n[/i] が十分大きいとき,母標準偏差の代わりに標本標準偏差を使ってよい」とされています.では,標本の大きさがいくつくらいであれば『十分大きい』と考えていいのでしょうか?[br]その理由を,正規分布とt分布という言葉を使って説明しなさい.
標本サイズが小さいときは標本平均の分布は正規分布ではなく,t分布に従う.しかし,標本の大きさが30程度まで大きくなると,t分布と正規分布がほぼ重なるため,標本標準偏差を使っても問題ない.